<赤龍解体記>(30)秘書が習近平を語る

【大紀元日本9月5日】来秋に開かれる予定の中共第18回全国代表大会で、胡錦濤に代わって中共トップに就くと言われる習近平国家副主席について、言論が少なく中共の常套的なものしか示さないため、彼の個性とりわけ未来の政治的方向性が不透明とされている。さきごろ、バイデン米副大統領が中国を訪問した目的の一つが、近距離で習近平を観察し、その対策を練っていくということであった。

9月1日の中国語系国際メディアによると、習近平の政治秘書がインタビューを受け、習近平について自分なりの見方を語ったという。記者は30ほどの質問をしたが、その多くに対して答えなかったという。ここでは、その一部を紹介する。

記者:習近平氏はとても神秘的で、今になっても自分の政治的観点を示していないと思われるが、これについて簡単にまとめてもらえるか。

秘書:あなたの質問は問題がある。習近平副主席は実は、ずっと自分の政治的観点を表しており、自分の観点を隠していない。しかし、多くの人は自分が聞きたいものが聞こえてこないため、彼は自分の観点を出していないとしているのだ。つまり、習近平の観点は、中央と完全一致を保っているということだ。

記者:習近平は読書が好きか。どんな本を読んでいるか。

秘書:習近平副主席は、自宅でどんな本を読むかは不明だが、彼が出張するたびに数冊の本を持っていく。その多くは国内出版の書籍である。彼は以前外国の本を多く読んだが、今は中国国内で出版された、社会問題を取り上げた本を読んでいる。むろん、これらの本はわれわれ秘書が推薦し、かつ索引をつけて、重要な内容を示したものである。

記者:習近平氏は海外のサイトにアクセスするか。

秘書:中南海の指導者たちは個人で直接にインターネットをしない。その時間もないし、安全ではないからだ。でも、彼らはネット事情についてかなり詳しい。われら習近平事務室でも、少なくとも7名の秘書がもっぱらネットの情報や関連の文章を収集し、整理、編集した後に習近平副主席に報告している。習近平副主席は何回も、ネットで影響力の大きい何人かの著名人の文章を提供するよう指示した。彼はネット事情を非常に重視している。われわれが彼に提出する情報のうち、半分は紙媒体のもので、半分はネットからのものだ。しかし、書面に書かれた習近平副主席からの指示からすれば、彼は紙媒体の情報をほとんど読まず、ネットの情報にばかりこだわっているようだ。むろん、台湾や香港に関するものは別だが。そして、海外メディアの情報については、一般的にわれわれが直接情報収集するのではなく、公安部、国家安全部および統戦部門から提供されたものを、習近平副主席に提出するのである。

記者:張木生氏が習近平氏のブレーンと言われているが……。

秘書:張氏はたしかに一度習近平副主席に会ったことがあるが、その言い方は言いすぎだと思う。習近平副主席の話によれば、彼のブレーンはネットの民意であり、全体の民意が彼のブレーンだ。彼は「人を本にする」ことができ、政党を奉仕型の政党にし、公務員を人民の公僕に立ち返らせるようにするに違いない。

記者:そういった言い方は、発表したことがあるか。内部文章あるいは談話によるものだろうか。

秘書:これはわたしが信じているものだ。

記者:習近平氏は18大で順調に次代の指導者になれるか。

秘書:これはわたしが答える必要もない。なぜ順調でなくなるのか。(中略)18大では、集団による指導体制をより強化する。それは集団的な権力交代であり、ある人の個人的な行為ではない。今後、指導者たちの担当する仕事はより明確化され、それぞれ自分の仕事に責任を取るのである。最高指導者の中で、もっとも必要な能力は協調することだが、習近平副主席は協調に長けている人物である。

記者:習近平氏は、中共のトップになりたくないと言われている。その原因は、今後10年間が中共の最も艱難な時期であり、ひょっとすれば、この時期に中共が崩壊してしまうかもしれないからだと言われているが、これについて、どうお考えか。

秘書:……

記者:海外メディアの報道についてどう思うか。

秘書:私は直接海外のサイトにアクセスせず、ただ内部の通信を通じてその情報を得ている。しかし、海外メディアの皆さんに伝えてほしい。もし、客観的で公正に報道するなら、より大々的にやってよい。それは問題がないはずだ。ただし、ある政治勢力と派閥に利用されないこと。ここで言う政治勢力と派閥は国内外とも含まれているが。

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