「抑制と傷つく」 2011年の世相を表した中国の流行語

【大紀元日本12月17日】「控(抑制)」と「傷不起(これ以上傷つくことができない)」。中国で2011年度の流行語大賞のトップに上がった言葉。「皆の予想内ではあったが、2つの言葉をこのような形で目にした時、複雑な心境になる」とネット評論家の済北南氏はコメントする。

「控(中国語発音:コン)」。コントロール、抑制、統制という意味で、「控制」という連語で使われることが多い。これは昨年の流行語の「「漲(膨張、上昇)」を受け、上昇した物価、不動産価格などをコントロールすることが今年最大の関心事だったことを表した。

「控」は当然、ほかの領域にも行き渡る。「管控」という連語で「管理・統制」を意味するが、「管理」を付け加えたことで「統制」のニュアンスが少し和らげられているものの、実質は「統制」そのものだ。「微博(中国版ツイッター)管控」「世論管控」「人権活動家管控」「蔵独(チベット独立主義者)管控」「法輪功管控」などはその代表的な使い方。つまり、当局にとって都合の悪いものを「封じ込める」という用法。この種のものが数多く存在するため、「控」は目にしない日がないぐらいの頻出単語になってしまった。

「傷不起(中国語発音:シァン・ブー・チー)」は直訳すると「これ以上傷つくことができない」という意味だが、転じて「かわいそう過ぎる」という気持ちを表現する。温州高速鉄道事故の死傷者は「傷不起」。車に轢かれ、18人に放置された女の子・悦悦ちゃんは「傷不起」。スクールバス事故で命を落とした農村部の子どもたちは「傷不起」。「地溝油(下水油)」を口にした人々は「傷不起」…このような使い方で今年一気に常用句になったこのフレーズは、庶民の無力さとやり切れなさを表している。

「控」や「傷不起」から透けて見える庶民の訴求と不満。済北南氏は、流行語が誕生した背景を政府は直視すべきだ、と主張した。

(翻訳編集・張凛音)
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