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中共の輸出規制 欧州企業に調達先分散の動きを促す 商工会議所調査

2025/12/02
更新: 2025/12/02

在中国EU商工会議所が12月1日に公表した調査によると、中国共産党(中共)の輸出規制が、ヨーロッパ企業に調達先の分散を促す動きを生んでいることが明らかになった。

同商工会議所が会員131社を対象に実施した緊急調査の結果では、75社(57%)が中共の輸出規制の影響を受けている、または影響を受ける可能性があると回答した。36%は、中国以外での調達網の整備に向けてサプライヤーと連携する方針を示した。

一方で、対応方針をまだ決められない企業も多く、回答企業の43%は、輸出規制への対応を「未定」としている。

イェンス・エスケルンド会頭は声明で、「中国の輸出規制は、現地で事業を展開するヨーロッパ企業にとって不確実性を高めており、生産の遅延や停止のリスクにつながっている」と述べた。

またエスケルンド氏は、輸出規制が中国の貿易相手国から「強い反応」を招き、「すでに大きな負荷のかかっている世界の貿易システムに、さらなる圧力を加えることになった」と指摘した。

サプライチェーン・納期・収益への影響

多くの企業は調査の中で、中共の輸出規制が中国の輸出拠点としての効率性と信頼性を損なっていると答えた。

回答企業の60%が、中共による規制がすべて適用された場合、サプライチェーンに「中程度」または「重大」な混乱が生じると見込んでいる。また13%は「生産の停止または遅延に直面する可能性がある」と回答した。

納期への影響については、輸出ライセンスの承認プロセスにより、6%が「1か月未満の遅延」、34%が「1〜2か月の遅延」、40%が「2か月以上の遅延」と回答した。残る21%はまだ輸出ライセンスの申請を行っていないとしている。

商工会議所は、回答企業の中に「納期に全く影響がなかった」と答えた企業がなかったと明らかにした。

輸出規制は収益にも影響を及ぼしている。

「中共の輸出規制が企業の財務に与える影響には幅があるが、深刻な影響を受ける企業にとって状況は非常に厳しい」と商工会議所は述べた。

ある企業は、この規制により「2025年の世界売上総額の20%に相当する追加コストが発生する」と見込んでいる。また別の企業は、追加コストが2億5千万ユーロ以上になる可能性があると回答した。

輸出規制の拡大は延期に

アメリカ主導の圧力に直面し、中共政権は近年、レアアースの掌握を強化し、西側諸国との交渉において重要資源を戦略的に活用している。

中共商務省は10月9日、特定のレアアース関連技術や設備に加え、一部のリチウムイオン電池、正極材料、負極材料、人工ダイヤモンドなどを輸出規制の対象に追加する方針を発表した。

しかし、韓国でのAPEC開催に合わせて行われたトランプ大統領と習近平の会談後、中共はこれらの規制を1年間停止すると発表した。

規制停止はアメリカだけでなくEUにも適用される。

11月1日、EUのマロシュ・シェフチョヴィチ通商担当委員は、中共商務省の当局者が、規制の一時停止をEUにも適用すると欧州側に伝えたと述べた。

10月31日に英紙フィナンシャル・タイムズに掲載されたインタビューで、ベッセント米財務長官は、中共の動きによりとその同盟国が今後2年間で新たな調達先の確保を急ぐことになったと語った。

「中国はその危険性をすべての国に気づかせた。これは重大な誤算だ」と同氏は述べた。

「銃を見せるだけと、実際に発表するのでは意味が違う」と付け加えた。

英国を拠点に、国内の幅広いニュースを報道する
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。