薄煕来氏、失脚 後任も江沢民派か

【大紀元日本3月15日】中国共産党機関紙・人民日報の公式サイト「人民網」は15日の北京時間10時頃、重慶市のトップ、薄煕来・共産党委員会書記(62歳)の解任を公表した。2月始め、彼の腹心である同市の王立軍・副市長が成都市の米国総領事館に駆け込み亡命を試みたとされる事件が絡まっているものと見られる。

10時2分頃に発表された第一報は、重慶市共産党委員会の主要責任者のポストを調整するという内容だった。2分後の続報は中共中央最高指導部の最新決定として次のように伝えた。「張徳江・同志が重慶市共産党委員会の委員、常務委員、書記を兼任する。薄煕来・同志は重慶市共産党委員会の書記、常務委員、委員の職務から離れる」

今年65歳の張徳江氏は現職の副首相である。

この政府公表の内容は10分以内に5360回転載されており、関心度の高さを物語っている。

14日、温家宝・首相は「両会」閉幕後の記者会見で、王立軍事件を厳しく追究すると示し、「重慶市共産党委員会と市政府の反省が求められる。真剣に同事件の教訓を汲み取るべきだ」と厳しい言葉を発した。今回の薄煕来氏の解任はその監督責任追究の一環とみられる。

前日の13日には、温家宝・首相が記者会見の席で初めて王立軍事件に対する見解を示した。法律に基いて処理するとし、重慶市政府がこれまでに大々的に宣伝してきた「唱紅打黒(革命ソングを歌い、マフィア組織を取り締まる)」は、文化大革命の再演であると危惧する考えを暗示した。 

温家宝・首相のこれらの一連の発言は、公の場で薄煕来氏を否定するだけでなく、薄煕来氏を裏でバックアップする江沢民・前総書記と現職の中央政治局の周永康・書記への宣戦布告も意味する、と外部の専門家は分析する。 

薄煕来氏は共産党中央政治局の委員でもあり、今年10月頃に行われる予定の政権交代で、最高指導部となる政治局常務委員入りが見込まれていた。

今後、王立軍事件がどのように処理されるか、注目されるところである。 

一方、後任の張徳江・副首相は北朝鮮で教育を受けており、これまでに工業とエネルギー分野を主管していた。薄煕来氏同様、江沢民派閥に属している。そのため、今回の重大な人事更迭について、最高指導部内の派閥のバランスを取る動きが読み取れる、と指摘する専門家もいる。

(翻訳編集・叶子)
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