周永康氏めぐる疑惑 前妻の事故死を再調査 殺人容疑か

【大紀元日本9月17日】周永康・元政治局常務委員への立件、審査が7月29日に発表されて以来、当局は進捗状況などを一度も開示していない。中国共産党の中央規律検査委員会(中紀委)は、周氏の前妻が死亡した交通事故について再度調査を行っていると、ロイター通信が11日、最高指導部に近い情報筋の話として伝えた。

周氏と離婚してまもなく、王淑華さんは北京で2000年、不自然な点のある交通事故で死亡した。同事故に巻き込まれた車両は、少なくとも1台が軍用車のナンバープレートをつけていた。前妻をなくして数カ月後、周氏は28歳年下の中国中央テレビ(CCTV)の女性アナウンサーと再婚した。

当局が14年前に起きたこの交通死亡事故の再調査をする目的は、周氏の関与を立件できる犯罪の証拠を得るためと見られている。7月末に周氏に対し「重大な規律違反」の疑いで調査・立件が公表されて以来、調査当局は同氏の汚職や犯罪に有力な証拠となるものを積極的に集めている。

過去2年で周氏の親族や部下など少なくとも300人以上が拘束や取り調べを受けた。押収された資産は少なくとも900億元(約1兆5000億円相当)に達するという。

周氏「殺人容疑で拘束」一部報道

米国の中国語メディア「博訊」は2013年12月5日付で、北京の情報筋の話として、中国当局はすでに周永康氏が前妻を殺害した有力な証拠を得て、調査に大きな進展がみられ、同月1日に殺人などの容疑で周氏を拘束したと報じた。

この報道によると周氏の元運転手2人の供述として、郭永祥元秘書が周氏から命令を受け、交通事故を装って前妻を殺害したという。当時、2人の運転手は2台の車を走らせ、同じ道路の反対車線から走行し、周氏の前妻をはねて死亡させた。

いずれも武装警察官だった2人の運転手は事故直後に逮捕され、懲役15〜20年の刑を言い渡されたが、服役してわずか3~4年で釈放され、2人とも周氏の利権基盤だった中国石油天然気集団(CNPC)で職に就いた。一人は、勝利油田の配送車隊の副隊長になり、もう一人は山東省CNPCの副総裁になった。

しかし、周氏が拘束される数カ月前、2人の運転手は再び逮捕され、殺人の経緯を自白した。周氏の元秘書、後に四川省副省長に昇進した郭永祥氏も今年4月9日、「重大な規律違反」の容疑で中紀委の取り調べを受けていることが明らかになった。

周氏の次男、周涵氏は、自分の母は父に殺害されたと確信している。父親との関係を断ち切り四川省成都市で小さな書店を経営し、生活を営んでいた。「孫をみたい」と周氏が訪ねて来ても、周涵さんはドアを開けずに「永遠に会いたくない」と拒否した。そのため、周氏一族は相次いで取り調べを受けているが、次男の周涵氏だけは取り調べを免れたという。

(翻訳編集・王君宜)
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