中国不動産不況 住宅ローン規制が緩和 退勢挽回を狙う

【大紀元日本10月2日】中国では不動産市場の不況が長引くなか、中国人民銀行(中央銀行)南昌支店(江西省南昌市)は9月29日付公文書で、1軒目の住宅ローン完済を条件に、2軒目住宅の購入者向け住宅ローンの規制緩和すると公表した。中国の経済専門サイト「財経網」などが報じた。

今回のような措置は、不動産景気が低迷していることを念頭に実施するもので、住宅価格が依然として上昇し、取引も活発な一部の地域は対象外だ。

中国政府は2010年、価格高騰や高級住宅の供給過剰を懸念して、厳しい不動産政策を導入し、銀行融資に規制をかけ、大半の大都市で2軒目の住宅購入を禁じた。しかし、地方政府は現在、不動産不況の影響を受け、こうした購入制限を相次いで解除している。

珠海市は9月27日、購入制限を解除した。それにより制限をかけられた46都市のうち、現在、北京や上海、広州、深セン、三亜5都市だけがまだ購入制限の枠に残されている。

中国メディアによると、以前からいくつかの都市は事実上融資政策を緩和していることが明らかになった。福州市は9月22日、住宅購入者は1軒目の住宅ローンが完済後、2軒目の住宅ローンを組むことを認めると公表した。その翌日、農業銀行江蘇省支店も1軒目住宅ローンが完済した場合や、夫婦の片方が住宅ローンを持たない場合、2軒目の住宅購入を認めると発表した。

杭州では、地元銀行が今年8月上旬にはすでに住宅ローンの認定基準を下げた。招商銀行は、融資の余剰金を完済した場合または杭州で家を買い換える場合、2軒目の住宅購入を認めるとした。

2軒目住宅ローンの規制を緩和したにもかかわらず、一部の購入者によると、2軒目住宅ローンの頭金は30%まで下がったが、その代わりに、利回りは約10%上昇したという。

不動産の奨励政策が相次いで打ち出され、銀行も積極的に融資拡大に乗り出したにもかかわらず、顕著な効果はみられないと悲観視する声もある。

一部の専門家は購入制限を緩和するだけでは、不動産市場が直面した問題を解決するのはとても難しいとの見解を示した。南京市正栄不動産開発株式会社の総支配人は「購入制限を解除して融資を補助するだけでは、長期的には景気の支えにならない」と述べた。

中国の大手不動産開発会社トップの任志強氏によると、不動産市場不況は、主に消費者が銀行から適切な住宅ローンの金利を獲得できず、消費力の低下を引き起こしたものであると指摘した。

(翻訳編集・王君宜)
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