大型連休で混雑する中国の高速道路。その中で、思わず目を引く光景が広がった。
河南省から甘粛省へ向け高速道路を走る1台の黒いSUV。車の後ろのガラスには、「先に行かせてください。甘粛に帰って最愛の人と結婚します。全行程1146キロ」と書かれたメッセージが貼られていた。
連休中で車が詰まる中、このメッセージに気づいたドライバーたちは次々と進路を譲り、クラクションで祝福した。中には一定の距離を保ちながら後ろを走り、見守るように同行する車もあった。サービスエリアでは、わざわざ車を止めて声をかけ、祝福する人も相次いだ。2人はそうした人たちに「喜糖」と呼ばれる結婚のお祝いのお菓子を手渡し、喜びを分かち合った。見知らぬ人同士の温かなやり取りが広がっていった。
4月30日以降、この車の目撃情報はネット上で相次いで投稿された。「あの車を見た」「自然と道を譲っていた」「なぜか涙が止まらなかった、笑わないでほしい」「みんな、少しだけ道を空けてあげよう」などの声が広がり、見知らぬ誰かの幸せを応援する空気が広がっていった。
現地メディアの取材に対し、男性(新郎)は新疆で同じ職場だった女性(新婦)と4年間交際し結婚に至ったと説明し、「道中では多くの車が道を譲り、クラクションで祝福してくれました。本当に感謝しています。とても感動しました」と語った。
高速道路で渋滞しているにもかかわらず、スペースを作り少しずつ道を開け、見知らぬ2人の門出を送り出した。切なる願いの一枚のメッセージが、人のやさしさを引き出した瞬間だった。
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