ベルリン国際映画祭で上映決定

ヨーヨー・マのドキュメンタリー映画

ベルリン国際映画祭は、2016年度のコンペティション部門と非コンペ作品(招待作品)を公表した。ヨーヨー・マドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マ&シルクロード』が非コンペ作に選ばれた。この映画は、中国系アメリカ人の世界的チェリストであるヨーヨー・マが、98年に立ち上げた、伝統的な東西の音楽と、現代の音楽との関りを追求するアーティスト集団「シルク・ロード・アンサンブル」の舞台裏に潜入したもの。

このドキュメンタリー映画は、『バックコーラスの歌姫たち』で、昨年のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した監督のモーガン・ネビルと映画プロデューサーのケイトリン・ロジャースによって作られ、現代で最も影響力のある華人・ヨーヨー・マの60歳を迎えての記念作品となった。

本作品は、今年9月にトロント映画祭で試写会を行い、ヨーヨー・マと「シルク・ロード・アンサンブル」のメンバーもトロントに駆けつけて宣伝を行い、上映後に大好評を得た。ベルリン映画祭後も本作品は、米国での上映が決まっている。

ヨーヨー・マは97年、世界中にいる優秀な音楽家と、文化の違いを乗り越えて、音楽で世界を繋ぎたいという思いから「シルクロード・プロジェクト」の計画を立ち上げた。「シルクロード」はかつて中国と地中海世界の間の歴史的な交易路だったが、古代に商業を営むネットワークだけではなく、言語、宗教、人種文化の交流するルートでもあるとヨーヨー・マは考え、文化を交流することができる音楽地球村を作り、人々が異なる音楽を通して、異なる文化を理解できるようにと願った。

そして、このプロジェクトはシルクロードに沿ったさまざまな文化を研究することを目的として1998年に設立された。以降、多様なキャリアを持つ彼らは、西洋クラシック音楽、東洋の民謡のみならず、オリジナル曲などを含む様々なプログラムの演奏会をアメリカ、欧州、アジア各国で行ってきた。日本では2005年にNHKで制作・放映された「新シルクロード」のサウンド・トラックが「ヨーヨー・マ&シルク・ロード・アンサンブル」として演奏され話題となったほか、同年開催された愛知万博にも参加し、会場でのライブ公演をのべ8日間行っている。

(翻訳編集・真子)