暴落懸念

中国不動産バブル抑制 政府「党員幹部は売却を禁止」

中国不動産市場バブルを沈静化したい中国政府は9月末、北京、上海など20の大中都市で住宅購入や住宅ローンの厳しい制限と土地供給拡大の調整政策を次々と実施した。この結果、多くの都市では住宅価格が大幅に下落した。ただ、社会不安を引き起こす価格の急落を防ぐため、中国当局は共産党の党員幹部に対して、不動産の売却を禁じることにした。

9月末、各地でバブル抑制措置が実施された後、江蘇省蘇州市の住宅価格はこのほど4日間の間、1平方メートル当たりの2万2000元(約34万円)から1万3000元(約20万円)に急落した。約40%の急落に中国国民の間では、政府の抑制措置で自らが保有する不動産の価値も急減するのではないかとの強い不安が走った。

米国の中国語ニュースサイト「博訊網」(15日付)は情報筋の話として、「中国当局内部では現在共産党の党員幹部に対して不動産の売却を禁止した」と報道した。

この背景には、腐敗横行の中国共産党内で、多くの幹部は投機目的で1人で10戸以上の住宅を持っていることになる。2013年に汚職、職権濫用などの罪で逮捕された鉄道部の劉志軍・元部長には374戸の住宅を保有していたことに、国民にショックを与えた。

中国の住宅都市農村建設部の陳政高・部長は9月30日に行われた会議で、北京市など16の大中都市政府幹部に対して「急上昇した住宅価格は高い水準で維持すれば、経済発展や社会の安定だけではなく、国家安全までに脅かしていく」と強い警戒感を表したという。

不動産価格の急騰の主因には、中国実体経済の低迷、株、債券やファンドなどの金融商品の収益率の低下、中国政府による海外への資金流出措置や住宅在庫削減ための住宅ローン優遇措置で、莫大な投資資金がより高い収益を得られる不動産市場に集中したことにある。

香港メディアは、2015年中国株式市場の大暴落で一夜で資産を失い国内多くの中流階級が消滅され、もし今年に不動産市場の価格暴落があれば、住宅ローンを組んで高い価額で住宅を購入した多くの中流階級はまたも消滅されると懸念を示した。中国国民が反乱を起こしかねないとの見方を示された。

(翻訳編集・張哲)

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