トランプ氏「国家通商会議」を新設、対中強硬派ナバロ氏をトップに指名

ドナルド・トランプ米国次期大統領の政権移行チームは21日、ホワイトハウス内に「国家通商会議(National Trade Council)」を新設し、トランプ氏が対中強硬派エコノミストのピーター・ナバロ氏を同会議の責任者に指名したと発表した。

政権移行チームが発表した声明文では、「国家通商会議は、貿易交渉に関する革新的な戦略を大統領に助言し、他の政府機関と協調し、米国製造業や国防産業の現状を分析し、失業者が高い技術力を求められる製造業で働く機会を得られるよう後押しする」と道筋を示した。

ナバロ氏は現在、カリフォルニア大学アーバイン校ビジネススクール経済学教授を務めている。『中国は世界に復讐する(The Coming China Wars)』、『米中もし戦わば(Crouching Tiger:What China’s Militarism Means for the World』、『中国が(世界を)破滅に向かわせる(Death by China)』など、中国関連書籍を多く発表し、対中強硬派として知られる。

2011年に発行された著書『中国が(世界を)破滅に向かわせる』では、ナバロ氏は中国共産党政権の下での環境汚染、資源の略奪、毒食品、政治腐敗、軍事拡張為替操作など多くの面において、世界にとって脅威となっていると批判した。12年に同著書のドキュメンタリー映画も製作された。

ナバロ氏は、すでに次期商務長官に指名されたウィルバー・ロス氏と今年7月29日に連名で、米ニュース専門放送局CNBC電子版に寄稿し、中国の為替操作、知的財産権侵害、環境汚染などが米国益に害を与えたとし、また両国の貿易において長期にわたる米側の貿易赤字が同国経済成長を阻んだと指摘した。

ナバロ氏がトランプ次期政権の重要な政策アドバイザーとして、今後米中間経済・貿易関係、さらに外交まで大きな影響を与えるとみる。

(翻訳編集・張哲)

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