9月11日、アメリカのトランプ大統領がニューヨーク・ヤンキース「9.11」同時多発テロ24周年記念試合に出席し、ヤンキースタジアムは厳粛な雰囲気に包まれた。観客が4万人を超える中、犠牲者への追悼とともに、選手たちやファンとの心温まる交流が繰り広げられた。
この日の試合では、ヤンキースが13安打を放ち、最終的に9対3でデトロイト・タイガースを下した。
試合前には記念式典が行われ、ヤンキースはモニュメントパークに花輪を捧げ、犠牲者、救助隊員、そして影響を受けたすべての人々に敬意を示した。
トランプ大統領はスーツにネクタイ姿でヤンキース社長ランディ・レヴィン氏の隣に着席し、試合中は終始言葉を交わした。司法長官のパム・ボンディ氏や米環境保護庁長官のリー・ゼルディン氏(元ニューヨーク州下院議員)も同行した。
2回表、場内アナウンスが大統領の来場を伝えると、映像が大型スクリーンに長時間映し出され、『大統領万歳(Hail to the Chief)』が流れた。トランプ大統領は満面の笑みを浮かべて立ち上がり、拳を振り上げた。観客席からは「USA! USA!」の大合唱が起こり、「トランプ!」と名前を叫ぶ声も広がった。観客数は約4万1千人に上った。

ヤンキースタジアムでの厳重な警備体制
前日に保守派活動家チャーリー・カーク氏がユタ州で暗殺事件に遭ったことを受け、会場の警備体制は大幅に強化された。当局は三塁側スタンド上、デトロイト・タイガースのベンチ周辺や、スタインブレナー家の特別ボックス外に防弾ガラスを設けた。すべての入場口には金属探知機が設置され、シークレットサービスの職員や爆発物探知犬を連れた職員が警戒に当たり、ニューヨーク市警のヘリコプターも上空を巡回した。
試合開始前、トランプ大統領はヤンキースのロッカールームを訪れ、選手やスタッフと交流した。故ジョージ・スタインブレナー元オーナーとの長年の親交について語り、「私がここに観戦に来るたびに、いつも勝っていた」と懐かしそうに語った。

この日大統領と交流した選手の中には主砲アーロン・ジャッジもいた。ジャッジは試合後、「彼と会えたのは夢のような瞬間だった。それが私とチームを大きく奮い立たせた」と語った。さらに「素晴らしい試合を見せることができた」と続け、この日放った2本のホームランでジョー・ディマジオと並び、球団史上4位の記録に到達した。「彼(大統領)が“絶対勝て”と言ってくれたことで、皆が自信を持ってグラウンドに出られた。どうやら彼にはこれからも何度も来てもらうしかなさそうだ」とも述べた。
試合序盤、ジャッジが1回裏に本塁打を放つと、トランプ大統領はすぐに立ち上がって拍手し、周囲の観客もそれに続いた。場内は熱気に包まれた。「YMCA」が流れると、大統領は席に座ったまま腕でアルファベットのポーズを取り、観客の笑いと喝采を誘った。
7回表終了後しばらくしてトランプ大統領は球場を後にした。この日は9月11日の恒例行事として「私を野球に連れてって」に加え、「ゴッド・ブレス・アメリカ」も合唱された。大統領の映像は大型スクリーンに3度映し出され、アナウンサーは「お帰りなさい、ニューヨークの息子、第45代および第47代大統領」と呼びかけ、感謝の言葉を述べた。
AP通信は今回の出席を、24年前の「9・11」襲撃直後に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領がヤンキース対アリゾナ・ダイヤモンドバックスのワールドシリーズで始球式を行い、国民の強さを示した場面と重ね合わせた。
これでトランプ大統領がホワイトハウス復帰後に観戦した大型スポーツイベントは通算8回となった。スーパーボウル(ニューオーリンズ)、デイトナ500(自動車レース)、マイアミやニュージャージー州ニューアークでのUFC大会、フィラデルフィアでのNCAAレスリング選手権、ニュージャージー州イーストラザフォードでのFIFAクラブワールドカップ決勝、そして先週末の全米オープンテニスなどである。
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