四川省で土石流、人災の可能性も 亀裂報告の無視で問われる当局の不作為(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)
天災か人災か

四川省で土石流、人災の可能性も 亀裂報告の無視で問われる当局の不作為

中国・四川省茂県で24日、大規模な土石流が発生し、村全体をのみこんだ。中国メディアの財新網は26日、事故は人災の可能性もあると報じた。地元住民らは事故前から当局に、山の斜面にある大きな亀裂について何度も報告していたが、何ら対応はなかったためだという。記事は間もなく削除された。

亀裂と報告の無視について、地元住民らは26日午前、同省民政庁長官と仮設施設で行った対話で明かした。住民の話によると、今回、土石流に飲み込まれた村に隣接する山の斜面には、2008年汶川大地震後の翌年(2009〜2010年)に生じたとみられる長さ数百メートル、幅数十メートルの亀裂があった。その危険性について住民は何度も当局に報告していたが、返答はなかったという。

このため、人災の要因が大きいと当局の対応を非難し、住民は現地政府をはじめ関係者の職務怠慢の責任を追及するよう当局に求めた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の夜空でドローンが「謎の霧」を散布。十数省で相次ぎ報告され、焦げた臭いに住民が騒然。当局は沈黙したまま…何が起きているのか。
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
小野田紀美科学技術相は5日の記者会見で、南鳥島沖で進められる国産レアアース採掘に向けた深海試験について、「我が国の経済安全保障上、極めて重要な取り組みだ」と述べ、研究開発への期待を示した。
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
中国河南省で転落事故後に死亡した14歳少年の臓器提供を巡り、母親が「手はまだ温かかった」と疑念を示した。死亡判定や手続きの透明性にネット上で関心が高まり、事例は国内で波紋を広げている。