空席だらけの軍上層部 新軍委発足に苦慮か

2026/08/07
更新: 2026/08/07

中共は10月、第20期中央委員会第5回全体会議(5中全会)を開催する予定である。大規模な粛清によって党・軍の高官ポストに多数の欠員が生じており、5中全会で政治局委員などの欠員補充が行われるかどうかに関心が集まっている。

約3年に及ぶ激しい権力闘争を経て、習近平がこれまで昇格させてきた現役上将数十人のほぼ全員が失脚した。文化大革命以降、中共軍における最大規模の人事刷新・粛清との見方が強まっている。

10月に開かれる5中全会では、大規模な粛清によって空席となった党・軍指導部のポスト、とりわけ政治局や中央軍事委員会(軍委)の人事が補充されるかどうかが焦点となっており、専門家らがその動向を注視している。

台湾の政治学者、孫国祥氏は「理論上、政治局委員の人事は中央全会で調整するが、近年は、欠員を補充せず、党大会で一括して処理する傾向が強い。政治局委員の補充は、第21回党大会の人事構想を前倒しで示すことに等しい。5中全会で複数の政治局委員が補充されれば、その政治的意味合いは極めて大きい。高官の欠員が組織運営に影響を及ぼしていることに加え、習近平が党大会を前に信頼できる人物を要職に配置する必要に迫られていることを示すものだ」「軍委の人事補充が行われる可能性は、政治局よりも高い。現在、軍委は習近平と張升民のみが実質的な中核となっており、組織体制は極めて脆弱で、対外的に見ても異例の状況にある」と述べた。

独立系評論家の蔡慎坤氏は、「最終的に誰が補充されるかは、来年の党大会まで見極める必要がある。張升民が政治局入りし、党大会後も重要な役割を果たすとは考えていない。張の政治的使命はすでに終わった。習近平は張を通じて、軍内で粛清対象となっていた大物幹部をほぼ一掃したからだ。党大会まで張自身が地位を維持できれば、それだけでも十分だろう」と語った。

公開資料によると、中共の軍改革以降、軍および武装警察部隊には通常、戦区司令官級以上の指導ポストが25〜32設けられている。しかし現在、その地位にある現役上将はわずか6人にとどまり、軍委副主席の張升民と国防相の董軍もその中に含まれている。

建軍100周年という節目を控え、軍委の欠員補充に残された時間は限られているとの見方も出ている。

中国問題専門家、李林一氏は「本来であれば、軍内人事は張升民が掌握しているはずだ。しかし、人事を実際に統括する政治工作部主任はいまだ任命されていない。このことは、習近平が軍人事を統括する人物の忠誠心に強い不安を抱いていることを示している。来年の第21回党大会を迎えても、新たな軍委は欠員を抱えたままとなり、すべてのポストが埋まらない可能性がある。現在の軍には、職責を担う能力と十分な経歴を備えた人材そのものが不足している」と指摘した。