中国大型連休 旅行客は増加も消費に力強さ欠く 広がる「貧乏旅行」

2026/10/01
更新: 2026/10/01

中国では10月1日から7日間の大型連休が始まった。今年は9月25〜27日の中秋節休暇に続き、旅行を計画している人も多い。一方、旅行客が増える一方で、消費は盛り上がりを欠いている。宿泊費や食費などの出費を抑える動きが強まり、「貧乏旅行」と呼ばれる現象が広がっている。

背景には、中国国民の所得や消費余力の低下に加え、景気の先行きに対する不安があるとの見方が出ている。

今年は9月25〜27日の中秋節休暇に続くため、一部の会社員は数日間の有給休暇を取得することで、最大13日間の長期休暇を取ることができる。スペインやポルトガル、北欧、ニュージーランドなどへの長距離旅行は、8月中旬までにすでに予約で埋まった。

旅行客の数だけを見ると、旅行需要が活況を呈しているようにみえる。一方で、専門家によれば、中国経済が抱える問題は「人は出かけるものの、金を使うことには慎重」という点にあるという。

中国問題の専門家、王赫氏は、中国共産党政権が当初期待していた消費の反発が起きていないと指摘。その最大の要因について「国民全体の所得が大幅に減少していることだ」とし、「中国経済の現状と消費需要は、深刻な縮小と低下の局面にある」と分析している。

所得の減少は、今年の大型連休における旅行消費にも直接表れている。

調査によると、連休中にミドルクラスのホテルを選ぶ旅行者は33%、エコノミークラスのホテルを選ぶ人は29%で、合わせて6割を超える。一方、高級ホテルへの宿泊を予定している人はわずか5%だった。

とりわけ若者は、雇用や所得をめぐるプレッシャーが強い。気分転換のために旅行には出かけるものの、宿泊費や食費を切り詰め、不要な出費を極力避ける傾向が強まっている。

こうした状況について、米国の経済学者である李恒青氏は、「旅行では若者が主力になるはずだが、現在の若者には生活に余裕がない」との見方を示した。さらに、若年層の失業率が20%を超えているとして、「こうした状況では希望を持てない。中国経済や自分の家庭の将来に希望を抱けなくなっている」と述べた。

その結果、中国国内で広がっているのが「貧乏旅行」と呼ばれる旅行スタイルだ。その特徴は、とにかく出費を抑えることにある。

ホテルに泊まらず、車内で寝たり、テントを利用したりする人もいる。食事も屋台や比較的安価な飲食店を選ぶ。観光地を訪れても、入場料を払わず、いわゆる「写真だけ撮って帰る」ケースもある。

今年の大型連休を前に旅行者数は増加している一方、国民の手元には十分な金がなく、旅行に出かけても財布のひもを固く締めている。旅行需要の拡大が、そのまま消費の拡大にはつながっていない実態が浮かび上がっている。

新唐人