アングル:中国バブル世代、若者が語る「夢と現実」

[17日 ロイター] – 中国経済が急速に成長するなか、習近平氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した「2012年組」の若者たちは、親や祖父母の世代が夢見た以上の食べ物や衣服、快適さや機会を得て育った。

「バブル世代」とも言える彼らは、旧世代のように「吃苦(苦しみに耐える)」を経験したりはせず、総じて明るい見通しをもつことができた。また、彼らの生活は、膨張する人口を抑制するため1970年代から行われていた「一人っ子政策」によって築かれている。

彼らはこうした「ジェネレーションギャップ」をどう感じているのか。また、人生で何を望んでいるのか。若者たちに聞いた。

●Wu Qiongさん(外資系銀行勤務)

「この世界を知るようになったとき、すでに世界は変わった後で、比較的発展していた。どんどん良くなっていくのを目の当たりした。それは、単に問題ないとか、再建とかいうレベルではなかった。変革されていくのを目撃してきた」

「私たちの世代は『吃苦』を全く味わったことがない」

●Fu Shiweiさん(大学教員アシスタント)

Fuさんは、自分の世代が、企業や国中でリーダーシップを取ることに自信を示す。

「(旧世代との)大きな違いは、選択を迫られたときに、私たちの世代の方が勇気ある決断ができると思う。私たちの方がオープンマインドでもある」

●Zhang Yulinさん(ゲームデザイナー・既婚者)

「私たちの世代にかかるプレッシャーは相当大きい。私たちは皆、『一人っ子』だから、親の介護など、プレッシャーは非常に大きい。私たち夫婦は親4人の面倒を見なくてはならない。住宅費もとても高い。仕事は競争が激しい。頑張らないと、負けてしまう」

●Zheng Yueさん(インテリアデザイナー)

「一人っ子特有の気質がある。自分自身のことしか考えない。他者への思いやりや責任感に欠けている」

「社会は浅はかすぎる。カネが精神的なよりどころとなっている。カネさえあれば、多くの人は安心する。でも、それは精神の源ではない」

●Qi Jingさん(共産党青年団の支部リーダー・湖北省の武漢育ち)

 

「大学入試の時期にとてもプレッシャーを感じていたとき、母が父の仕事について話してくれた。父が初めて武漢にやって来たとき、身寄りはなく、ポケットに5元(約85円)が入っているだけだった。住むところもなく、公園で寝泊まりしていたという」

「現在のジレンマは、ある年齢に達すると、機会がどんどん失われていくことだ。特に女性の場合、仕事での選択や、仕事か家族の選択を迫られる。そして多くのことをあきらめることになる。若いころにはやりたいこともあって、『挑戦してみよう』と思うかもしれない。でも今は、そうしたことを徐々にあきらめて、安定を求めるべきだと感じている」

●Wang Siyueさん(インターネット教育企業勤務)

「正直言って、今後5年に何が起きるか想像なんてできない。計画を立てても、世界は予測不可能だ。人の幸不幸はバランスがとれているという意味のことわざがある。最初は幸運でも、それが続くとは限らない。私は運命を信じる」

●Zhang Weixuanさん(ソフトウエア会社勤務)

「私のチャイナドリームはいたってシンプルで、大都市で自身を確立すること。私は昨年、北京の『戸口(戸籍)』を取得することができた。今後、ここで結婚して家庭を築きたい」

「仕事もうまくいくことを願っている。2年以内に、あるいは今、小さなマンションを購入したい。そうすれば自身を確立することができる。そうなれば、かなりいいと思う」

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

 

 10月17日、中国経済が急速に成長するなか、習近平氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した「2012年組」の若者たちは、親や祖父母の世代が夢見た以上の食べ物や衣服、快適さや機会を得て育った。写真は、インターネット教育企業に勤務するWang Siyueさん。上海で8月撮影(2017年 ロイター/Aly Song)

 

 10月17日、中国経済が急速に成長するなか、習近平氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した「2012年組」の若者たちは、親や祖父母の世代が夢見た以上の食べ物や衣服、快適さや機会を得て育った。写真は、インターネット教育企業に勤務するWang Siyueさん。上海で8月撮影(2017年 ロイター/Aly Song)
関連記事
ロシア当局は中国共産党と歩みを揃え、自国内で信仰への弾圧を強めている。モスクワ市トゥシンスキー地区裁判所は4日、法輪功学習者であるナタリヤ・ミネンコワ氏(46)について、2カ月間の拘留を命じた。
5月3日早朝、ロシア警察による法輪功学習者の家宅捜索が5件あった。「望ましくない組織」のために活動した疑惑で、4名が拘束された。ロシアの主要メディアが報じたが、法輪功に関して、中国共産党による誤った情報をそのまま流している。
フランスで、中国共産党の海外警察組織が反体制者を中国へ強制送還しようとする事件が発生した。 駐仏中国大使館の職 […]
自然死はまあ大丈夫だが、それよりも悪いのは、中国の実験室で漏れ出たコロナで何百万人もの死者を出したことだ。さらに悪いことに、その費用はすべて自由世界の税金で賄われている。中国が新たな感染症災害を招くと確信。 アメリカは、中国製の次の「殺人鬼」の誕生に資金を提供したり、協力したりすべきではない。
豪州戦略政策研究所の最新報告によると、中国共産党(中共)は、世界で人気のアプリを介して、外国人ユーザーのデータを収集し、世界の情報環境に変革をもたらし、海外での宣伝活動の影響力を増しているという。