アングル:内閣支持率に反転の兆し、首相の自民総裁3選に追い風の声

[東京 21日 ロイター] – 学校法人・森友学園や加計学園を巡る疑惑や、財務省の文書改ざん問題と同省事務次官のセクハラ問題などに直面し、支持率が低下傾向にあった安倍晋三内閣だが、直近の世論調査では下げ止まりから上昇の兆しを見せている。

一時は危ぶまれていた今年9月の自民党総裁選での3選に追い風となっているとの声も、与党内で浮上した。

ただ、働き方改革法案など重要法案が今国会で成立するのか、依然として不透明感が強いだけでなく、与野党対立が予想される6月10日投開票の新潟県知事選の結果によっては、再び逆風が強まるリスクも残っている。

読売新聞が今月18─20日に実施した世論調査によると、安倍内閣の支持率は、前回4月20─22日の39%から3ポイント上昇して42%となった。不支持率は47%で、前回比6ポイント低下した。

産経新聞社・FNN(フジニュースネットワーク)や朝日新聞などの世論調査でも同様の傾向が見られた。

ある政府・与党関係者は「支持率は底を打った」とほっとした表情。今年3月以降、4割台だった支持率が3割台に急落していたが、5月調査では少なくとも下げ止まりが明確になったと受け止めている。

公明党の山口那津男代表は21日、記者団に対して「不支持率の方が(支持率より)高い状況もあり、ぜい弱な支持率という点も、よく受け止めなければならない」とし、楽観的な見方を戒めた。

ただ、与党内の一角では、現状の支持率は「歴史的には高い方」(幹部)という見方も出ている。支持率が3割を切ると「危険水域」とされるが、30%台から40%台への上昇は「最悪の状況を脱したのではないか」(与党関係者)と、先行きに光明を見出す見方につながっている。

首相官邸や与党幹部の一部は、6月20日の通常国会会期末までに重要法案である働き方改革法案を成立させることができれば、安倍内閣が責任を果たしたことになり、9月の自民党総裁選で安倍首相が3選を果たすうえで有利な政治情勢に持ち込めると「皮算用」する。

実際、今回の読売新聞の世論調査では、森友・加計問題を国会が優先して議論すべきとの声は、読売新聞調査では40%にとどまり、森友・加計問題を優先して議論すべきとは思わないとの回答は52%と過半数を超えた。

 

こうした世論の動向を意識してか、与党内には、野党の反対を押し切って23日に働き方改革法案を衆院で採決、可決して参院に送るべきだとの強硬論が広がっている。

ただ、衆院段階で「強行採決」した場合、参院での審議がストップし、結果として同法案の成立が危ぶまれる事態になることを懸念する声もある。

与党内にも、支持率の反転を機に強行採決すれば、政府・与党に対する世論の目が厳しくなりはしないかと懸念する見方もくすぶっている。

また、今月24日告示・6月10日投開票の新潟県知事選で、野党統一候補が与党系候補に勝利した場合、野党が勢いづいて、法案審議が一層困難になるというリスクシナリオもある。

このようなリスク要因を乗り越えて重要法案を成立させ、通常国会を安倍首相が乗り切った場合、9月に予定されている自民党総裁選での安倍首相の優位は、かなり際立ったものになると予想する向きもいる。

有力な対抗馬と目されている自民党の岸田文雄政調会長は、比重が増す党員票の獲得で後れを取っているとの予想が多い。「知名度で劣勢」(与党関係者)なためだ。

ただ、政策遂行上の安定感を支持する声も少なくなく、なかでも中央官庁における期待感が相対的に高いともみられている。

しかし、そのことが「地方での伸び悩みにつながる」(先の与党関係者)と懸念する声も聞かれる。

知名度が高く、地方で人気の石破茂・元幹事長は、党員票を大量に確保しそうだと安倍首相周辺から警戒されている。

ただ、国会議員票の確保では劣勢との見方もあり、党員票と国会議員票を合計した票数では、安倍首相がリードしているとの見方が、ここにきて有力になっている。

自民党総裁選は、今回から党員票と国会議員票が同数とされ、地方での人気が選挙動向に大きな影響を与える。

この点が、どのように影響を与えるのか。6月12日の米朝首脳会談を受けて拉致問題がどのように推移し、日朝関係がどのように進展するかも含め、外交問題に対するイメージも今回は無視できないという声が、与党内にくすぶっている。

 

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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