ブラジル大統領選、極右候補が46%の票獲得 左派と決選投票へ

[ブラジリア 7日 ロイター] – 7日に投開票されたブラジル大統領選は、極右で元軍人のボルソナロ下院議員が半数近くの票を獲得した。汚職に対する国民の反感を背景に、右派に票が流れた格好だ。

ボルソナロ氏は左派・労働党候補のアダジ元サンパウロ市長とともに28日の決選投票に進む。アダジ氏は汚職で有罪判決を受けて収監中のルラ元大統領に代わって労働党の候補となった。

選挙管理当局によると、7日の第1回投票でボルソナロ氏は有効票の46.3%を獲得し、アダジ氏(29%)を大きく引き離したが、当選に必要な過半数には届かなかった。

ボルソナロ氏は一国主義的な政策や反体制主義的な発言などから「ブラジルのトランプ」とも呼ばれる。

同氏はソーシャルメディアで生中継された動画で「われわれにはテレビの選挙放送の持ち時間がなく、党はまだ非常に小さく資金もない上に、私が30日間入院したことを踏まえれば、これは偉大な勝利だ」と述べ、「われわれのブラジルを信じなければならない」と訴えた。

また、政府の規模を縮小し、閣僚を15人に減らすと表明したほか、給与税減税や多くの国有企業の民営化または閉鎖を約束した。

ボルソナロ氏は最近の世論調査で支持率を伸ばし、金融市場ではブラジルの株式や通貨が上昇していた。ブラジルは2003─16年の労働党政権の後に深刻な景気後退に陥った経緯があり、市場では労働党の政権復帰を回避したい向きが大勢だ。

アダジ氏の選対本部では、出口調査で決選投票にもつれ込むことが分かると歓声が上がった。最近の世論調査では、決選投票ではアダジ氏がボルソナロ氏に勝利するとの結果も一部で出ている。

アダジ氏は国民に支持を呼びかけ、ボルソナロ氏に対抗するため他の3候補に結束を求めたことを明らかにした。

*写真を追加します。

10月7日に投開票されたブラジル大統領選は、極右で元軍人のボルソナロ下院議員(写真)が半数近くの票を獲得した。リオデジャネイロで撮影(2018年 ロイター/Pilar Olivares)
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