中国業者、豪州産石炭輸入を削減 通関審査の遅延で=関係筋

[北京 18日 ロイター] – 中国の石炭トレーダーがオーストラリア産石炭の輸入を削減していることが、大手取引業者のトレーダー4人の話で明らかになった。通関手続きにこれまでの2倍以上の時間がかかっているためという。

トレーダーらによると、影響を受けているのはオーストラリアからの貨物のみ。

上海の取引業者のマネージャーは「制限がいつまで続くか不透明なことから、豪州産石炭の発注を停止した」とし、通関手続きは通常5─20日かかるが、現在は最長で45日かかっていると述べた。

当局がオーストラリアからの輸入品の通関審査を強化した理由は明らかでないが、両国の間ではサイバーセキュリティーや太平洋島嶼(とうしょ)国への中国の影響力を巡って緊張が高まっている。

中国税関総署と外務省はコメントの要請に返答していない。

前出の上海のマネージャーによると、一部の港の当局者は輸入業者に対して今月、豪州産の一般炭および原料炭の通関手続きに通常より時間を要すると口頭で伝えた。北京の石炭トレーダーとコークス工場の購買責任者も同様の通知を受けたが、いずれも理由は分からないとしている。

中国は過去に、国内炭鉱の支援や大気汚染対策を目的に石炭輸入を制限したケースがあり、2017年には不純物の多さやエネルギー効率の低さを理由にインドネシア産石炭の輸入を制限した。

北京のトレーダーは豪州産の通関審査強化について、「当局が理由なく特定の国からの石炭輸入を制限するのは初めてだ」と話した。

上海のトレーダーは豪州産の購入を停止したと明らかにし、インドネシアやロシアからの輸入を増やす考えを示した。

北京のトレーダーは豪州産の輸入を減らすと述べた。

リフィニティブの船舶追跡データによると、1月の豪ニューカッスル港から中国向けの石炭出荷は前月比30%減の1819万トンとなった。

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