ペンス副大統領が中国演説中止、米中会談控え緊張回避か

[ワシントン 21日 ロイター] – ペンス米副大統領が中国政策に関する演説を中止したことが、米政府当局者の話で分かった。米中首脳会談を来週に控え、緊張激化を回避したいとの思惑が働いたようだ。

この当局者は「今週のトランプ大統領と習近平国家主席との電話会談が順調だったことから、ペンス氏の演説を来週の大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)以降にずらすことがより適切であるとトランプ氏やペンス氏は判断した」と指摘した。

さらに「米中協議には進展の余地があり、たとえそれが漸進的であっても、可能性の芽をつむことは望ましくない」と語った。

中止決定は、完全な驚きをもって受け止められた訳ではない。米政界ではここ数週間、ペンス氏が演説のトーンを和らげるか中止に踏み切るといううわさが飛び交っていた。

ペンス氏側近は当初、5月29日に中国に関する演説を行うと公表、人権などの問題で強硬な発言をすれば貿易摩擦緩和に水を差す可能性を懸念する声が中国や米経済界から上がっていた。

香港でのデモ運動や天安門事件記念日で、敏感な時期に差し掛かってもいた。

ペンス氏は昨年10月の講演で中国の政策を手厳しく批判した経緯がある。

*写真を追加、見出しを差し替えました。

関連記事
全世界の若者から絶大な人気を博しているショートビデオ共有アプリTikTok。しかしアメリカでは最近、バイデン大統領がTikTokに関する新法に署名した。
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]