[ワシントン 21日 ロイター] – ペンス米副大統領が中国政策に関する演説を中止したことが、米政府当局者の話で分かった。米中首脳会談を来週に控え、緊張激化を回避したいとの思惑が働いたようだ。
この当局者は「今週のトランプ大統領と習近平国家主席との電話会談が順調だったことから、ペンス氏の演説を来週の大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)以降にずらすことがより適切であるとトランプ氏やペンス氏は判断した」と指摘した。
さらに「米中協議には進展の余地があり、たとえそれが漸進的であっても、可能性の芽をつむことは望ましくない」と語った。
中止決定は、完全な驚きをもって受け止められた訳ではない。米政界ではここ数週間、ペンス氏が演説のトーンを和らげるか中止に踏み切るといううわさが飛び交っていた。
ペンス氏側近は当初、5月29日に中国に関する演説を行うと公表、人権などの問題で強硬な発言をすれば貿易摩擦緩和に水を差す可能性を懸念する声が中国や米経済界から上がっていた。
香港でのデモ運動や天安門事件記念日で、敏感な時期に差し掛かってもいた。
ペンス氏は昨年10月の講演で中国の政策を手厳しく批判した経緯がある。
*写真を追加、見出しを差し替えました。
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