トランプ氏「交渉長引けば合意一層困難に」、中国に早期妥結迫る

[ワシントン 3日 ロイター] – トランプ米大統領は3日、中国との通商協議は良好に進展しているが、交渉が自身の2期目まで持ち越しとなれば、交渉は一層困難になると強調し、中国に早期妥結を迫った。

トランプ氏はツイッターで「中国との交渉は非常にうまくいっている」とする一方、交渉が現在の任期中に決着せず、自身が再選されることになれば「妥結はずっと困難になるだろう。中国のサプライチェーン(供給網)は崩壊し、企業や雇用、資金が奪われることになる」と述べた。

ただ、交渉の詳細のほか、交渉が具体的にどのように厳しくなっていくのかなどは明らかにしなかった。

この日は全米商工会議所のトーマス・ドナヒュー会頭がCNBCに対し、米国が導入した対中関税措置で中国経済は痛手を受けているとしながらも、米国の企業や労働者も影響を受けていると指摘。米中合意に向けた時間を確保するために、このほど発動させた新たな関税措置を延期するようトランプ大統領に呼び掛けた。

ただ、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USCMA)」の米議会での批准は可能で、米経済の底上げの一助となると指摘。これにより「米国の対中政策が相殺される」との見方を示した。

トランプ政権は9月1日に中国に対する制裁関税第4弾を発動。約3000億ドル相当の中国からの輸入品への追加関税を15%とし、一部は導入を12月15日に先送りする。今回の措置が完全に実施されると、中国からの輸入総額約5500億ドル全てが制裁関税の対象となる。中国も米国に対する報復関税措置を発動させている。

こうした中、中国の劉鶴副首相はこの日、貿易戦争は米中両国のほか、世界全体に悪影響を及ぼすため、中国は断固として貿易戦争に反対しているという見解を示した。

*内容を追加しました。

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