中国伝統美徳物語(孝行編)その六「郯子は鹿の乳を搾り取る」
郯子(たんし)は春秋時代の人です。彼は両親のことを心から大切にしました。両親が年を取って両眼を失明したため、郯子はとても気にかけて何とかしたいと思いました。鹿の乳を飲めば目がよくなると人から聞くと、郯子は鹿の皮の服を借りてきて鹿に変装し、山奥に入り、鹿の群れに入り込み、鹿の乳を搾り取ろうとしました。猟師は1頭の動かない「鹿」を見つけて、矢を抜き出して打ち放そうとしました。
その時、郯子はやっとそれに気づき、慌てて立ち上がり鹿の皮の服を脱ぎ捨て、大声で状況を猟師に説明して何とか撃たれる危険から逃れました。猟師は郯子の親思いの話を聞いて大変感動して、鹿の乳を彼にプレゼントしました。郯子はその鹿の乳を家に持ち帰って両親に飲ませると、両親の目が本当によくなりました。
その後、郯子は国の君主になりました。彼が治めた国はとても小さな国でしたが、しかし、かなり有名になりました。郯子の業績や才能、そして、彼の「仁慈」(じんじ・思いやりがあって情け深いこと)と「孝行」の徳行は民衆の心を勝ち取ったのです。
関連記事
自閉症は一つではなかった――。最新の国際研究が、早期診断と遅発診断で遺伝背景や発達経路が異なることを解明。支援やスクリーニングの在り方を見直す重要な知見です。
首・背中・腰・肩・足。よくある痛みやこわばりは、無意識の「かばう動き」から広がることがあります。日常に取り入れやすい6つの基本ストレッチで、体の動きを取り戻すヒントを紹介します。
浴室以外にも潜む、家の中のカビ危険地帯。毎日使う玄関マットや歯ブラシ立てなど、見落としがちな場所と簡単対策を知れば、家族の健康と住まいの清潔を守るヒントが見えてきます。
高タンパクと書かれたクッキーや飲料が増えています。でも「プロテイン入り=健康」とは限らない可能性も。必要量は人によって違い、まずは何から摂っているかが大事──流行との距離感を考えます。
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。