イラン、新型ウイルス死者16人 政府が感染過小評価との懸念も

[ドバイ 25日 ロイター] – イランで25日、新型コロナウイルス感染による死者が増加し、議員や政府当局者からも陽性反応が確認される中、政府当局が感染の規模を過小評価している恐れがあるとの懸念が広がっている。

イラン保健当局は、新たに2人が死亡し、国内の死者が計15人になったと発表。国営メディアはその後、新たに1人が死亡したと報じており、死者は16人に達したとみられる。中国国外では最悪の死者数となる。

感染者は35人増加し、計95人になった。前日には感染疑い例が900人前後に達しているとしていた。

マフムード・サデギ議員はこの日、ツイッターへの投稿で「新型ウイルスの陽性反応が出た。生き続けることに大きな望みは抱いていない」と明らかにした。

さらに国営メディアによると、新型ウイルス感染防止に取り組んでいたハリルチ保健次官が動画を通じ、ウイルスに感染したことを明らかにした。

イランでの新型ウイルス感染源とみられる中部コムの議員は前日、同市だけでもすでに50人が死亡したとし、政府が発表する感染者・死者の統計に疑問を投じた。メヘル通信によると、コムでは320人が入院しているという。

ロウハニ大統領はテレビ演説で新型ウイルスを「招かれざる不吉な客」とした上で「われわれはこの状況を切り抜ける」と鼓舞した。

イランでの新型ウイルス感染拡大が他の中東諸国に飛び火し、クウェート、バーレーン、オマーン、イラク、アフガニスタンでも初の感染が確認される中、近隣諸国はイランへの航空便運航や貿易を停止、国境を閉鎖するなどの措置を講じており、イランをさらに孤立化させる恐れがある。

世界保健機関(WHO)の派遣団は同日イラン入りする予定。

*内容を追加しました。

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