現金給付は14兆円上回る規模、プロセスの混乱は私の責任=首相

[東京 17日 ロイター] – 安倍晋三首相は17日夕の記者会見で、新型コロナ対策で国民に一律10万円の支給を決めたことについて、現金給付の総額は14兆円を上回る規模になるとしたうえで、閣議決定後に補正予算を組み替える混乱を招いたことは自身の責任であり、お詫びすると語った。緊急事態宣言を全都道府県に拡大したことについては、都市部から地方への人の移動は避けなければならないと強調。できる限り外出は控えてほしいと呼びかけた。

<10万円給付、もっと早く決断すべきだった>

政府が先に閣議決定した経済対策には、支給先を絞り込んだ一人30万円の現金給付が盛り込まれていたが、公明党の強い要請もあり、首相は10万円の一律支給に方針を変更した。

これは国民や与野党の声を踏まえた決断だとしたうえで「プロセスの混乱については私自身の責任であり、おわび申し上げたい」と陳謝。10万円の一律給付について「国民の声が多いことは承知していた、もっと早く判断すべきだった」とも述べた。

支給手続きについては早期支給および感染拡大防止のため、市町村の窓口でなく、郵送やオンラインで行うと述べた。

<緊急事態延長、専門家の話を聞いて判断>

5月6日が期限となっている緊急事態宣言の延長をするかどうかについては「専門家の話を聞いたうえで判断したい」と明言を避け、5月6日以降の夜の外出自粛継続についても「今から断定できない」とした。

ただ「東京都のきょうの新規感染者は過去最多200人超で、大変厳しい状況」、「人と人の接触を7-8割削減しない限り、新規感染者の大きな減少は困難」とも述べ、延長判断にあたっては「(100年前の)スペイン風邪が、いったん収まった後に再拡大したことなどを教訓にする」と述べた。

緊急事態宣言の全国拡大に関連し、各自治体で大型連休に先立ち観光施設への休業要請などが必要になるとの見方も示した。 航空便や鉄道に対して、政府として減便を要請することはないとも述べた。また、新型コロナウイルスに感染した患者への対応を行っている医師らの待遇に関し、診療報酬の倍増などに取り組む考えを示した。

<WHOへの分担金、削る考えない>

日本時間16日夜行われた主要7カ国(G7)首脳テレビ会議では、新型コロナウイルス感染症に対して世界各国が世界保健機構(WHO)を中心に協力する必要があると発言したが、WHOは政治的に中立でないとの見方もあり感染終息後、そのあり方を検証すべきと提言したことを明らかにした。ただ、WHOへの日本の分担金を削る考えはないと明言した。

一部で批判の出ている歌手の星野源さんとのコラボ動画に関しては「若い人に外出を控えてもらうため」発案したと説明。「さまざまな批判があるのは承知している。賛否両論あったのだろう」と語った。

 

(竹本能文)

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