中小企業向け追加支援で議会の合意近い、20日に決着も=米大統領

[ワシントン 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、新型コロナウイルスの感染拡大による打撃を受けている中小企業向けの追加支援で、議会が20日にも合意できるとの見方を示した。

トランプ氏は定例会見で、共和党と民主党の合意が「近い」とし、20日にも決着できる可能性があることを示唆した。

「多くの良い取り組みが進められてきた。明日、答えがまとまるかもしれない」と語った。

これより先、上院民主党トップのシューマー院内総務は、19日夜にも共和党と合意できることを望んでいると語った。ただ、まだ課題は残っている、と慎重な見方も示した。

米議会は先月、2兆3000億ドル規模の大型景気対策を承認し、中小企業を対象とした融資措置も盛り込んだ。ただ、この融資措置の資金は既に枯渇しており、トランプ氏は2500億ドルを追加するよう求めている。

民主党も中小企業に追加支援を行うことには合意しているが、行政サービスが十分行き届いていない地域でも、確実に融資が受けられるようにすることを求めている。また、州や地方政府、医療機関向けの追加支援や貧困層を対象とした食料支援も必要だと訴えている。

上院共和党トップのマコネル院内総務とムニューシン財務長官は19日に行われた上院議員との電話会議で、民主党が求めている州・地方政府への追加支援や貧困層対象の食料支援は、交渉中の中小企業向け追加支援法案には盛り込まれないと説明した。

議会は、同法案が成立してから、新たな新型コロナ対応の支援策を審議する計画で、民主党のボブ・メネンデス上院議員と共和党のビル・カシディ上院議員は19日、州・地方政府向けの5000億ドルの支援金を含む法案を正式に提出する考えを表明した。

 

新型コロナ感染者が集中しているニューヨーク州のクオモ知事は、同州は最大150億ドルの財政赤字に直面していると指摘。「大統領は『知事に任せる』と15回も言っているのに、これから可決する法案には州への支援が全く含まれていない」と批判した。

トランプ氏は、ペンス副大統領が主導して20日に州知事50人全員と電話会議を開き、さらなる支援について協議すると述べた。

ムニューシン財務長官はCNNに対し、議会と交渉中の法案は、新型コロナ感染拡大で打撃を受けた中小企業の雇用維持を支援する3000億ドルの追加融資が含まれると説明。第1弾の3500億ドルは16日に資金が底を突いた。

また、病院向けの750億ドルや、新しい検査技術を持つ州が検査に投じられる250億ドルの支援制度のほか、中小企業庁(SBA)による別の支援制度である災害融資制度を約500億ドル拡充する措置が盛り込まれると述べた。

*内容を追加して再送します。

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