NZ、台湾のWHO総会参加を支持する立場堅持

[ウェリントン 12日 ロイター] – ニュージーランドのピーターズ外相は12日、世界保健機関(WHO)総会への台湾の参加を支持するニュージーランドの立場を中国政府が非難したことを巡り、ニュージーランドは自国の立場を貫く必要があると述べた。

台湾は来週開かれるWHO総会へのオブザーバー参加を求めて働きかけを強めている。

ニュージーランドのロバートソン財務相とピーターズ外相は先週、台湾が新型コロナウイルスの感染拡大を早期に封じ込めたことを踏まえてオブザーバー参加を認めるべきだとの考えを示し、中国外務省の非難を招いた。

ピーターズ外相は12日の記者会見で、中国のこうした反応について質問され、「われわれは自国の主張を貫く必要がある」と表明。「真の友好は公平さに基づいており、友好関係の中で異なる意見を認め合えるかにかかっている」と述べた。

その上で、この問題が中国との関係に悪影響をもたらすとは思わないとし、「台湾を巡るニュージーランドの立場は新型コロナ対応での素晴らしい成功に関するものだ」と説明した。

台湾では、新型コロナの感染者が440人、死者が7人と、他の国や地域と比べて低水準にとどまっている。感染の拡大阻止に向けて早期に対策を講じたことが奏功したとみられている。

ピーターズ外相は、台湾の対応を称賛し、他国は台湾から多くのことを学ぶことができると指摘した。

その後、アーダーン首相も報道陣の質問に対し、台湾を巡るニュージーランドの立場は新型コロナへの公衆衛生上の対応のみに関連していると強調。「われわれは常に『1つの中国』を支持する立場をとってきた。この立場に変わりなはい」と述べた。

一方、台湾外交部(外務省)の報道官は台北で、ニュージーランドによる支持表明に謝意を示した上で、ニュージーランドと台湾は自由と民主主義、人権を強く支持していると主張。ニュージーランドとの関係を深めていく方針を示した。

同報道官は、中国がニュージーランドを非難したことについて遺憾の意を表明し、中国外務省の反応は「感情的」だと語った。

*内容を追加しました。

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