ピーター・ナバロ米大統領補佐官(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

中国のテレビ放送、ペンス副大統領の討論会での発言を一時遮断 ナバロ氏「計算された欺瞞」

ホワイトハウス通商製造業政策局のピーター・ナバロ局長は10月8日、FOXニュースのインタビューで、中国共産党が7日に行われた米副大統領候補の討論会の一部を検閲したことは、「計算された」欺瞞だと述べた。

「中国は国際放送を定期的に監視しています」とナバロ氏は話した。「放送には7~10秒の遅れがあり、これはかなり計算されています」

マイク・ペンス副大統領と民主党の挑戦者のカマラハリス上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の討論会はアメリカの放送局、CNNによって中国で放送された。ペンス氏が中国政権を批判し始めた時、放送は約30秒間、突然中断された。放送が中断されていた間ペンス氏は、ドナルド・トランプ大統領を含む750万人以上の米国民が感染し、21万1千人以上の死者を出した中共ウイルス(新型コロナ)のパンデミックに言及し、「中国に責任がある」という発言をしていた。

検閲を最初に報じたのは、カナダ紙Globe and Mailの北京特派員のNathan VanderKlippe氏だ。彼はテレビ画面の2つの画像を投稿し、1つの画面には「電波がありません。しばらくお待ちください」というテスト画像が表示されていた。

「中国はペンス氏の中国に関するコメントを検閲した」とVanderKlippe氏は書いた。「ハリス氏が再び話し始めると、電波が戻ってきた」

「中国に関する質問を受けた後、中国は副大統領候補の討論を検閲し、次の話題に進むと検閲を解除したようだ」と同氏は別のTwitter投稿で書いた。

討論の検閲された部分では、ペンス氏は「中国共産党の隠蔽と失政がパンデミックの原因だ」というトランプ政権の主張を繰り返した。

「コロナウイルスの責任は中国にあり、トランプ大統領はこれに不満を持っています」とペンス氏は話した。「中国とWHOはアメリカ国民を騙し、コロナウイルスの情報を得るために米国の職員を中国に派遣することを2月中旬まで許可しませんでした」

討論の話題が変わると、放送は再開された。

ナバロ氏はFOXニュースのインタビューで、民主党と中国政権は足並みをそろえてトランプ氏を打ち負かそうとしていると主張した。

「民主党と中国共産党は、ドナルド・J・トランプの敗北という共通の目的を持ってます」とナバロ氏は話した。

今回の検閲の約1カ月前、米国の情報機関は中国によるトランプ氏再選の妨害を非難している

トランプ大統領は7日、ホワイトハウスのローズガーデンでの動画の中で、中国の武漢で始まった感染拡大に言及し、米国と世界に行ったことに対して「大きな代償を払うことになる」と述べた。

トランプ氏は今回の感染拡大について、「これが起きたのはあなたのせいではなく、中国のせいです」と述べた。

「中国はこの国にしたことに対して大きな代償を払うことになるでしょう」とトランプ氏は付け加えた。「中国は世界にしたことに対して大きな代償を払うことになるでしょう。覚えておいてください」

一方、討論会の中で、ハリス氏は中国についての質問をかわしているようだった。

「私たちと中国との根本的な関係をどのようにお考えですか?私たちは競争相手、対戦相手、それとも敵ですか?」とUSA Todayのジャーナリストで討論会の司会を務めるスーザン・ページ氏は尋ねた。

この質問への返答で、ハリス氏はトランプ政権を批判した。

「トランプ政権の中国に対する考え方とアプローチは、米国人の命、米国人の雇用、米国の地位の喪失をもたらしました」とハリス氏は述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
オーストラリアのピーター・ダットン国防相は22日、宇宙司令部の設立を発表し、「強硬で好戦的な中露両国」に対抗できる宇宙軍事能力が必要だと述べた。
中国メディアは、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、反米・反北大西洋条約機構(反NATO)などの親ロシア政権の宣伝工作(プロパガンダ)を積極的に推進している。
ロシアのウクライナ侵攻に対して世界の有力国が一致団結してロシアに壊滅的な経済制裁を加える中、米国はロシア支援を続ける中国企業への制裁も視野に入れ、中露の枢軸を断ち切ろうとしている。
欧米の経済制裁はロシアを中国共産党に接近させ、権威主義の枢軸は中国とロシアの勢力圏にある他の国々に拡大する可能性がある。
米司法省(DOJ)は16日、中国系移民に対する嫌がらせや尾行、スパイ行為、連邦政府職員への贈賄、法執行機関への欺瞞などの罪で、中国政府の「秘密工作員」5人を起訴した。