ペルー新大統領に中道派国会議員が就任、1週間で3回目の交代

[リマ 16日 ロイター] – ペルー国会は16日、新たな暫定大統領にフランシスコ・サガスティ議員を選出した。国会によるビスカラ氏の大統領罷免、ビスカラ氏の後に暫定大統領となったメリノ氏の電撃辞任と、過去1週間で立て続けに国家元首が交代して混乱が続く国内情勢の沈静を図る。

世界銀行に勤務した経験を持つ76歳のサガスティ氏は、中道派「紫の党」に所属し、賛成97、反対26で暫定大統領に選ばれた。来年4月11月に予定される大統領・議会選挙の実行を含め、7月までの政権任期いっぱい大統領職を務める見通しだ。ただ新型コロナウイルスのパンデミックで痛手を受け、経済が大きく落ち込んでいる中で、国内の安定を取り戻すという難しい課題を背負うことになる。

足元の政治危機の発端は、大統領だったビスカラ氏と国会の衝突。先週、国会がビスカラ氏を汚職疑惑で弾劾、同氏がこれを否定したにもかかわらず大統領を罷免した。その後メリノ氏が国会議長から暫定大統領となったが、ビスカラ氏罷免に反発した国民による抗議デモが活発化し、2人の犠牲者が出るに及んでメリノ氏も短期間での辞任に追い込まれた。

シティは16日のノートで、サガスティ氏は混乱収拾に寄与しそうで、市場の支えになるとの期待を示す一方、当面は緊張が高いままで、マクロ経済の先行きには下振れリスクがあると警告した。

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