【紀元曙光】2021年1月5日

「改造」という言葉がある。
▼日本では、オートバイの違法改造から閣僚の顔ぶれを入れ替える内閣改造まで、いくつかの慣用例がある。いずれにせよ、人が殺されるような恐ろしい響きはそこにはない。一方、共産党中国において、改造する対象は生身の人間である。
▼この場合の「改造」は、おおよそ「洗脳」という言葉で代替できるのだが、洗脳のもつ概念と全く同じとは言えない。洗脳ならば、例えば中国に生まれた子どもが学校に行って教育を受けるだけでも、ある程度は達成できてしまう。中国の公教育や社会のなかに、中国共産党が統御する洗脳システムが存在するからである。
▼大人になって、そのシステムが良くないと分かったとしても、そこで生きるために中共との妥協的関係、さらには実利的関係のレベルで収めてしまう。元は善良な人間が悪魔に魂を売るのはこの時だが、人間の弱さを逆手にとった、まことに卑劣な中共の常套手段である。
▼改造は、精神や人格を完全に破壊するという意味で、はるかに恐ろしい。発狂させるために、いかなる手段もとる。古くは中帰連のように、十分な食事を与えて「学習」させることにより「中共の温情に感動し、涙を流して認罪する」ロボット人間をつくることもした。法輪功学習者に対しては、殺しても構わぬほど徹底的に痛めつける。ウイグル人やチベット人にも同様である。それが中共の「改造」なのだ。
▼周庭(アグネス・チョウ)さん。彼女は今、顔が変わって別人になるような恐るべき改造施設に入れられている。我われ日本人が、無関心でいてよいはずはない。