EU、アストラ製コロナワクチンは追加発注せず=欧州委員

[パリ 9日 ロイター] – 欧州連合(EU)のブルトン欧州委員(域内市場担当)は9日、英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンについて、現行の供給契約が終了する6月以降の追加発注はしていないと述べた。

欧州委は7日、ワクチンの効果を高める追加接種や寄付などで使用するため、EUが米ファイザーと独ビオンテックの共同開発したコロナワクチン18億回分の追加供給を2021─23年に受ける新たな契約を締結したと発表した。

ブルトン氏は、新たに契約したワクチンの価格が従来より高くなる見込みだと述べた。

アストラゼネカ製ワクチンに関し、欧州委は先月、同社が供給契約を順守せず、予定通りに出荷するための「信頼できる」計画を策定しなかったとして法的措置を講じた。

ブルトン氏は、フランスのラジオ局に対し「6月以降に関して新たな発注はしなかった」と述べたが、将来的に追加発注する可能性は否定しなかった。

アストラゼネカのワクチンを巡っては、副反応が出る可能性が懸念されており、欧州の一部の国々は年齢制限や使用停止などの措置を取っている。

EUの医薬品当局である欧州医薬品庁(EMA)は7日、アストラゼネカ製コロナワクチン接種後にまれな神経疾患が発症する事例が報告され、調査に着手したと明らかにした。

マクロン仏大統領は欧州議会で、フランスや欧州ではアストラゼネカ製ワクチンの接種を行っており「危機脱却に役立つため、接種を継続する必要がある」と指摘。「しかし、将来的な発注については、とりわけ変異ウイルスへの対応で他のワクチンが、より効果があると理解している」とし、他のワクチンを選択する動きは「現実的」だとして歓迎する考えを示した。

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