緊急事態判断、「強いメッセージ」必要と専門家が指摘=菅首相

[東京 14日 ロイター] – 菅義偉首相は14日夜、新型コロナウイルスに対応する緊急事態宣言の対象に北海道と岡山・広島県を追加した判断を受けて記者会見を行い、政府側が当初検討していたまん延防止等重点措置を緊急事態に変更したのは専門家から強いメッセージが必要との指摘があったためなどと説明した。

<菅首相「まん延防止で適切と考えていた」>

政府案が専門家の意向で覆されるのは異例。会見に同席した、政府の専門家で構成する分科会の尾身茂会長は「政府とは視点や立場が異なり、意見が異なることはある」と述べた。

菅首相は、北海道については、感染者の7割が札幌市に集中しているため、すでに発令済みのまん延防止措置で適切と考えていたと説明。岡山・広島県も、酒類提供も禁止できるまん延防止措置で強力な対策が可能と判断していたと述べた。

感染拡大により開催慎重論が広がっている東京五輪・パラリンピックについて、菅首相は「様々な声があるのは承知している」と指摘し、「まずは感染拡大を食い止め、国民の命を守るのが最優先だ」と強調した。その上で「対策の徹底で安心・安全な五輪開催は可能」との従来見解を述べた。

五輪が開催される場合、隔離される外国選手と異なり、国内在住者との接触による感染が懸念される海外の報道関係者については、訪日者を精査し、感染防止策に違反るする場合は「強制退去なども検討する」と述べた。

<尾身会長「五輪開催判断、医療負荷の評価が責務」>

尾身会長は「五輪を仮に開催する場合、判断時点で医療への負荷を評価するのは可能」とし、評価するのが開催関係者の責務と強調した。

全国知事会が12日、政府に求めた緊急事態宣言の全国展開に関し、菅首相は「全国一律よりも地域ごとに効果的な対策が重要」と慎重姿勢を示した。

緊急事態宣言は、すでに発令されている東京などを含め31日が期限となっているが、感染拡大が収束せず再延長する可能性について、5月末の期限であらためて判断するとした。

国内で感染が急拡大している変異株に関し、尾身会長は「インド株がイギリス株を凌駕する可能性があり、インド株のモニターが重要」と指摘した。

インドで不足が問題となっている医療用酸素について、菅首相は「現時点において十分確保している」と説明した。

福祉施設で働く人を介した感染を予防するため、「6月をめどに、高齢者の接種の見通しがついた市町村から、障害者の方を含めて、接種を開始し、さらに広く一般の方へ接種を進めていきたい」と述べた。

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