朝のコーヒー「飲むなら食事の後に」 血糖値の急上昇を避けるため

「モーニング・コーヒー」という言葉がありますが、あなたは朝食の前にコーヒーを飲みますか、それとも後に飲みますか。

英国のバース大学(University of Bath)は「前日の夜に十分な睡眠をとれなかった人が、翌朝、食事の前にコーヒーを飲むと、食事後の血糖の上昇に影響がでる」という研究結果を発表しました。
バース大学の研究者ジェームズ・ベイツ氏(James Betts)は「(英国では)おそらく半数ほどの人が、習慣的に、朝起きるとまずコーヒーを1杯飲みます。特に、前日の疲れや寝不足を感じた時ほど、濃いコーヒーを飲む傾向があるようです」と語ります。

バース大学での研究は「前日の夜、よく眠れなかった人が、朝に眠気を覚ますためにコーヒーを飲んだ場合、体の代謝にどんな影響を与えるか」を探るものです。この研究は『英国栄養学期刊』(British Journal of Nutrition)に掲載されました。

研究者が行った実験は、次のようなものです。まず参加者を3つのグループに分けます。それぞれ一定の時間、ベッドに横になってから、通常の朝食と同じカロリーブドウ糖飲料を飲ませました。

第一組は、正常な睡眠をとった後に、ブドウ糖を飲みました。第二組は、体を横にしたものの、よく眠れなかった状況にしておき、ブドウ糖を飲みました。第三組は、同じく、よく眠れなかった状況で過ごしてから、まず濃いブラックコーヒーを飲み、それからブドウ糖飲料を飲みました。

その結果、前夜よく眠れず、食事前に濃いブラックコーヒーを飲んだ第三組の人は、食後の血糖反応が、他の組に比べて50%上昇したと言います。この場合、睡眠の質が悪いこと自体は、血糖値の変化に影響しません。

「簡単に言うと、朝起きて最初にコーヒーを飲むことは、その後の血糖コントロールに影響するということです」。ベイツ氏はそう述べた上で、先に朝食を食べてからコーヒーを飲んだほうが、血糖の急上昇などの懸念される問題は改善されるとしました。主任研究者のハリー・スミス氏(Harry Smith)も同じく、「コーヒーは朝食後に飲むのがいいかもしれない」と言っています。

コーヒーは、もちろん日本もふくめて、世界中で愛飲されています。

仕事や勉強に疲れた時など、眠気覚ましにコーヒーを1杯飲んで元気を出したいところですが、胃に何も入っていない空腹時は避けましょう。コーヒーに含まれるカフェインが胃酸の分泌を促すため、胃酸過多になって、胃を荒らすことにもなります。

(文・穆簡 翻訳編集・鳥飼聡)