G7、途上国向けインフラ支援構想で合意 「一帯一路」に対抗

[カービスベイ(英イングランド) 12日 ロイター] – 主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)2日目となる12日、各国首脳は中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」に匹敵する途上国向けの新たなインフラ支援構想「Build Back Better World (B3W)」を導入することで合意した。大規模なインフラ支援を途上国に提供することで、増大しつつある中国の影響力に対抗する狙いだ。

ホワイトハウスによると、バイデン米大統領を含むG7首脳は、B3Wでの透明性のあるパートナーシップを通じ、途上国が2035年までに必要なインフラ整備資金40兆ドルの一部を支援する計画。

バイデン政権の高官は「これは単に中国との競争ではない」とし、中国政府による「透明性を欠いた、環境・労働基準の低い、強制的なアプローチ」に対して、西側諸国はこれまで前向きな代替策を示してこなかったと語った。

ホワイトハウスによると、米政府はB3Wの下、議会と協力し、既存の開発融資を増額し、総額数千億ドル規模のインフラ投資を予定している。

このほか、ホワイトハウスによると、G7と同盟国はB3Wの下で、気候変動、医療・医療の安全保障、デジタル技術、ジェンダー平等の分野で民間資本を活用する計画。ただ、具体的な運用方法は現時点で明らかではない。

中国の習近平国家主席が2013年に打ち出した「一帯一路」構想には、アジアから欧州まで広域の開発・投資イニシアチブが含まれる。これまでに100カ国以上が鉄道や港湾、幹線道路などのインフラ整備で同構想と協力することで中国と合意を交わしてきた。

一部からは「一帯一路」構想は中国の覇権拡大が狙いとの批判も出ていた。

<強制労働問題>

米政府や人権団体が指摘する中国での強制労働を巡っては、バイデン氏はG7首脳に対し、共同声明で糾弾する文言を盛り込む必要性を強く訴えたもよう。だが、米当局者によると、G7の他の国が共同声明での中国批判をどこまで受け入れるか、足並みは揃っていない。

この当局者はその後、G7首脳が中国の非市場経済の慣行と人権侵害に対して共通したアプローチを取る必要性で合意したと説明。また、サプライチェーン問題で協調する必要性でも一致したと語った。

当局者らによると、米国は共同声明で、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働に関する特定の文言を入れるよう主張した。

中国は新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害はないとしている。

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