7月27日、バイデン米大統領は、「主要国と本物の武力戦争」が起きるとすれば、米国に対する大規模サイバー攻撃が引き金となる可能性があると述べ、ロシアと中国がもたらす脅威が拡大しているとの米政府の見解を強調した。写真はイメージ。2013年2月撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)

米へのサイバー攻撃、武力戦争の引き金となる可能性も=バイデン氏

[ワシントン 27日 ロイター] – バイデン米大統領は27日、「主要国と本物の武力戦争」が起きるとすれば、米国に対する大規模サイバー攻撃が引き金となる可能性があると述べ、ロシアと中国がもたらす脅威が拡大しているとの米政府の見解を強調した。

米情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)の幹部および職員向けの演説で、甚大な影響があるサイバー攻撃が起きる可能性は「劇的に高まっている」と指摘した。

米国ではこのところ、ネットワーク管理ソフト会社ソーラーウィンズや石油パイプライン大手コロニアル・パイプライン、食肉加工大手JBS、ソフト会社カセヤを標的とするサイバー攻撃が相次いで起きており、ハッキング被害に直接あった企業だけでなく、米国の一部地域の燃料や食品の供給にも影響が広がった。サイバーセキュリティーはバイデン政権の最優先課題となっている。

バイデン氏は6月16日にジュネーブで開いたロシアのプーチン大統領との会談で、国家を後ろ盾とするハッカー集団のアクセスを禁止(off-limit)すべき重要インフラのリストを示し、サイバー攻撃阻止に向けた対応を求めた。

ホワイトハウスによると、首脳会談以降、バイデン政権の国家安全保障担当の高官らは国内のサイバー攻撃を巡り、ロシア政府の高官らと常にやりとりしているという。

バイデン氏は演説で、中国がもたらす脅威にも言及。習近平国家主席は「大真面目に、2040年代半ばまでに世界で最強の軍事力を持ち、世界で最大かつ最も卓越した経済になるつもりだ」と述べた。

バイデン氏は米情報機関の仕事を信頼していると強調し、「私はあなた方の仕事を政治利用することは決してしない。米国にとってあまりに重要だからだ」と語った。

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