気候変動問題を巡る話し合いのため中国を訪問中のケリー米大統領特使は2日、中国側に対し、気温上昇の抑制に向け「最大の野心」を持つよう促すとともに、気候変動問題は政治に関する事柄ではないと伝えたことを明らかにした。写真はケリー氏(2021年 ロイター)

気候変動問題は「政治と無関係」 ケリー氏、中国に対応促す

[上海 2日 ロイター] – 気候変動問題を巡る話し合いのため中国を訪問中のケリー米大統領特使は2日、中国側に対し、気温上昇の抑制に向け「最大の野心」を持つよう促すとともに、気候変動問題は政治に関する事柄ではないと伝えたことを明らかにした。

これに先立ち、王毅国務委員兼外相はケリー氏との会談で「中国と米国の気候変動問題における協力は、両国関係の広範な環境と切り離すことはできない」と指摘。中米間の政治的緊張が両国の気候変動対策における協力を損ねる恐れがあると表明した。

ケリー氏は記者団に対し「気候変動は思想や党派ではないし、地政学的な武器でもないというのが私の答えだ」とした上で、中国は温室効果ガスへの対処で多くのことを行っているが、現在の排出量は経済協力開発機構(OECD)加盟国全体の排出量を上回っており、「さらなる取り組みが可能だ」と強調した。

さらに、中国が計画している石炭の追加生産能力が完成すれば、排出量を正味ゼロとし、地球の気温上昇を抑えるための世界的な努力が損なわれると訴えた。

こうした中、中国外務省によると、外交担当トップである楊潔篪共産党政治局員は、気候変動や伝染病予防など国際・地域問題に関して、米国との対話および協力に前向きであるとケリー氏に伝達。同時に、米国は「誤った行為を正し」、二国間関係をできるだけ早く軌道に乗せるよう求めた。

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