イスラム主義組織タリバンの複数の関係者は3日、北東部パンジシール州を制圧し、アフガニスタンの全土を完全に掌握したと明らかにした。パンジシールの反タリバン勢力。8月撮影(2021年 ロイター)

タリバン、パンジシール制圧し全土完全掌握と表明 新政権発表は最終段階

[3日 ロイター] – イスラム主義組織タリバンの複数の関係者は3日、北東部パンジシール州を制圧し、アフガニスタンの全土を完全に掌握したと明らかにした。これに先立ちタリバン関係者は、新政権発表の準備は最終段階にあると表明。ただ、パンジシール州の反タリバン勢力はタリバンによる制圧を否定しており、混乱は続いている。

タリバン司令官は「反対勢力を駆逐し、パンジシール州を制圧した」と表明。首都カブールでは祝砲が響きわたった。

ただBBCワールドのジャーナリストは、反タリバン勢力の指導者の一人で、崩壊したガニ政権で第一副大統領を務めたアムルラ・サーレ氏がパンジシールになおとどまっていると発言する動画をツイッターに投稿。動画の中でサーレ氏は「困難な状況に陥っており、タリバンの侵攻を受けている。しかしわれわれは抵抗した。抵抗は続いている。私はここにおり、国土の尊厳を守る」と語っている。

サーレ氏の息子も、パンジシールがタリバンの手に落ちたことを否定した。

パンジシールには地域的な軍事勢力や前アフガニスタン政権の兵士ら数千人がアフマド・マスード氏の下で集結し、タリバンに対抗。マスード氏も「パキスタンのメディアで(タリバンによる)パンジシール制圧が報じられているが、これは正しくない」とツイッターに投稿している。

これに先立ち、タリバン関係者は新政権発表の準備は最終段階にあるとし、新政権はタリバンの政治部門トップ、バラダル師が率いると明らかにしていた。

関係筋によると、タリバン創設者の故オマル師の息子であるヤクーブ師と、スタネクザイ氏も要職に就く見通し。タリバンの最高指導者アクンザダ師は、宗教問題やイスラムの枠組みの中での統治に専念するという。

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