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「腎虚」のリスクを回避する「健康的な朝食のとり方」

3食のうち、朝食はいつも「犠牲」になる食事です。しかし、長期にわたって朝食を食べないと、とくに腎臓が弱まり、脾臓までも傷つける可能性があります。
 

朝食抜きは「腎虚」を招きます


漢方医学に「腎虚(じんきょ)」という言葉があります。腎虚とは「腎臓の衰え」を漢方の視点から表現したものです。

腎虚の典型的な症状としては、「頻尿。または尿が出にくい」「腰痛」「足腰に力が入らない」「精力減退」などがあります。ほかに「耳鳴り、めまい」「難聴」「むくみ」「かゆみ」「冷え」「手足のほてり」といった症状も見られます。
また、女性の月経障害、男性の性機能障害も起こります。

さて、朝食を食べずに慌てて職場や学校に行く人は、この「腎虚」になる可能性が高いので、ぜひ注意していただきたいのです。

朝食をとらないと血糖値や血圧が下がります。
すると体が「緊張状態だ」と勘違いしてコルチゾールアドレナリンが分泌されるのですが、その分泌が過剰になった場合、腎虚になります。

また、朝食をとらないことは「脾脾臓)の虚」も併発しやすくなります。朝ごはんを食べなくても「もたれ感」があり、あるいは食べても味がなく、容易に風邪をひき、筋肉が弛緩したようになります。

漢方医学では、人体には12の経絡があると言います。
それぞれの経絡には最も活発に運行する時間があります。例えば、朝7時から9時は経の循環が盛んになり、 9時から11時は脾経、11時から13時の心経が盛んに運行するのですが、これらは全て朝食に関連しているのです。

朝食を食べない人の多くは朝から栄養不足であるため、昼の心経の運行にも影響を与え、心臓の力不足、不整脈、めまいなどの症状が現れます。これは減量のためにわざと朝食をとらない人にもよく見られます。
健康のための減量が、実は本末転倒していることになります。
 

朝食に控えたほうがよい食べ物は何ですか?


朝食は食べるべきですが、むやみに多くは食べないでください。
また、以下の6種類の食べ物は、朝食に適していません。

1、 油っぽい食べ物
油条(揚げパン)、フライドチキンバーガー、防弾コーヒー(コーヒーにバターを溶かしたもの)。

空腹で一晩過ごした状態で、朝にいきなり油脂を摂ると、消化不良の原因になります。健康効果があると言われる「防弾コーヒー」も脂っこい飲料であり、腸の弱い人が朝にこれを飲むとを傷めることがあります。

2、炭水化物を多く含むもの
焼きそば、大根もち、パン、饅頭(マントウ)など。
朝食炭水化物だけを突出して食べると、精製されたデンプンやグルテンが過剰に摂取されて、体がだるくなります。

食事をしたのに元気がなく、かえって体が重くなったりしたら、炭水化物の過剰摂取が疑われます。デンプン質は、摂り過ぎると脂肪蓄積に切り替わります。

炭水化物を一切食べないのではなく、あくまでもバランスを重視してください。主食のほかに、野菜や卵、適量の肉を追加すると良いでしょう。

3、 甘すぎるもの
チョコレートやジャム、ピーナツバターを塗ったトースト。店で販売している朝の紅茶、ミルクティーなど市販の飲み物も、砂糖が多く入っています。
糖質の高いものを長期的に食べると、痰湿(たんしつ)体質になります。

4、 冷たい飲み物
冷たい豆乳、アイスティー、アイスミルクティー。
朝から冷たい飲み物を飲むと、体内の湿気が増えます。

5、冷たいサラダ、グリーンラテ
野菜と果物の属性は「寒性」であることが多いものです。冷たいサラダ、冷たいカフェラテも寒性が高いので、食べ物の属性を熟知している人でない限り、朝食にはお薦めできません。

朝食にとる野菜や果物は、例えば、グアバやリンゴなどがよいでしょう。野菜ジュースにするなら、常温の野菜や果物をお薦めします。冷蔵庫からいきなり出すのでなく、前夜から室内に置いて、常温にしたものが望ましいと言えます。

6、 加工食品
ホットドッグ、プロテインやホエイプロテインなど、食材の原型が見えないもの。
脂肪を増やすために、朝、プロテインやホエイプロテインだけを食べて、かえって貧血になる人もいます。
むしろ、適量の肉を食べたほうがタンパク質を摂取でき、鉄分などの栄養素も補給できます。
 

では、朝食は何を食べればいいですか? 


その実例のいくつかを、以下に挙げましょう
パンケーキ:炭水化物だけでなく、牛乳や鶏卵のタンパク質が入っています。薄い生地で、適量の肉や野菜を巻いて食べるのも良いでしょう。

卵、野菜、ナッツ類:炭水化物タンパク質食物繊維、良い油が摂れます。野菜は温サラダを選びます。

肉まん:肉まんはお薦めですが、中身の具が脂っぽいかどうかに注意してください。野菜まんは、タンパク質が少ないのであまりお薦めできません。

お寿司と熱いスープのセット:お寿司の米はスタミナを得られるデンプンを含み、ダイエットにも最適です。ただし、スーパーのお寿司や海苔巻きは冷蔵販売なので、常温に戻して食べたほうがいいです。

おにぎり:栄養不足の人は、朝食におにぎりを食べるのが一番ですが、消化不良にならないように、「もち米の白玉」は選ばないでください。普段食べている白いご飯に、肉やおかずを具に入れて、おにぎりに包むのもお薦めです。

温かい飲み物:朝食に合う飲み物は、温めた牛乳や無糖豆乳です。豊富なタンパク質とその他の栄養を摂取することができます。

なお、「8・16ダイエット(8時間で栄養摂取し、16時間は断食する)」を実行している人は、朝食の機会を逃してしまうことが多いので、特に注意してください。

朝食を全く食べずに、昼の12時から午後8時までしか食事しない人もいます。これは漢方医学からすると非常に良くないことで、脾の運動時(午前中)に必要な栄養が行き渡らないことになります。

9時から11時が脾経の運動時間なので、朝食は9時までに済ませましょう。脾経の機能は、栄養分を体の各処に運ぶことです。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)