2017年9月26日、中国・武漢で開催された「武漢オープン」に出場した彭帥選手 (Photo by Yifan Ding/Getty Images)

米上院、IOC非難決議提出 中国テニス彭帥選手めぐり

米上院議員は9日、中国の女子テニス選手、彭帥さんの安全に関する中国共産党の主張に明確かつ強力に異議を唱えなかったとして、国際オリンピック委員会(IOC)を非難する超党派の決議案を提出した。昨年12月には、同法案が米下院を全会一致で通過している。

彭帥さんは昨年11月、中国共産党元幹部から性的暴行を受けたと告発した直後、数週間にわたって公の場から姿を消した。安否が問われているなか、IOCのバッハ会長は彭さんとのビデオ通話で無事を確認したと発表。5日には北京五輪のバブル内にある施設で面会を果たしたと説明した。中国共産党を批判しないIOCの対応には疑問視する声が高まっていた。

7日発表の仏紙レキップは、「中国」と書かれた赤い運動着を着る彭帥さんとインタビュー内容を掲載した。しかし、この取材現場は中国五輪組織委員会が同行し事前に質問内容を仏紙に求め、翻訳版の解答も用意したという。

▶ 続きを読む
関連記事
中国共産党のマネーロンダリングは、麻薬カルテルを助けるだけではない。世界的な違法経済を拡大し、北京の地政学的野望を後押ししている。
子どもの血まで集める時代に? 上海の小学校で「採血同意書」が配布され、保護者が拒否。「何のためのサンプル?」とネットに恐怖と怒りが広がっている。
中国共産党(中共)軍と軍需産業で汚職が続く中、習近平は海南省三亜で新型空母「福建」の就役式に出席した。中共の海軍は初の「三隻体制」を確立したが、その背後には腐敗の影がある。
貯金を失う人、借金に沈む人、そして沈黙する政権。 中国で広がる詐欺の闇は国境を越え、日本にも及んでいる。 「+86」から届く自動音声――その声は、あなたのスマホにもすでに忍び寄っている。
神ではなく党を信じる国。 僧侶も道教の修行者も「党を学ぶ」中国宗教界の現実に、 人々は「胸が痛む」と声を震わせた。 信仰が沈黙し、政治が説法する時代が来ている。