米上院、IOC非難決議提出 中国テニス彭帥選手めぐり

2022/02/10
更新: 2022/02/10
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米上院議員は9日、中国の女子テニス選手、彭帥さんの安全に関する中国共産党の主張に明確かつ強力に異議を唱えなかったとして、国際オリンピック委員会(IOC)を非難する超党派の決議案を提出した。昨年12月には、同法案が米下院を全会一致で通過している。

彭帥さんは昨年11月、中国共産党元幹部から性的暴行を受けたと告発した直後、数週間にわたって公の場から姿を消した。安否が問われているなか、IOCのバッハ会長は彭さんとのビデオ通話で無事を確認したと発表。5日には北京五輪のバブル内にある施設で面会を果たしたと説明した。中国共産党を批判しないIOCの対応には疑問視する声が高まっていた。

7日発表の仏紙レキップは、「中国」と書かれた赤い運動着を着る彭帥さんとインタビュー内容を掲載した。しかし、この取材現場は中国五輪組織委員会が同行し事前に質問内容を仏紙に求め、翻訳版の解答も用意したという。

決議は、「人権保護の国際条約を尊重する」と掲げる規定を守ることができなかったとIOCを非難し、失われた信頼を取り戻すためにも中国共産党に五輪規定の順守を呼びかけるべきだと訴えた。中国共産党に対して、彭帥さんの安全や渡航自由を保証するよう求めたほか、同氏の家族への報復を禁じる内容が盛り込まれた。

法案を提出したリック・スコット米上院議員は「彭帥さんの失踪は共産主義政権のもとにある中国では基本的な権利が欠如しているとを露呈した」と指摘。中国共産党との対立を避けるために人権侵害に立ち向かわない姿勢は容認できないと主張した。

マーク・ワーナー上院議員は、中国共産党による残酷な人権侵害が指摘されるなかでのIOCの対応は「アスリートの幸福よりも中国との関係を優先させたいと考えていることを強く示唆している」と述べた。

米下院は先月、IOCが中国共産党と共に彭帥さんの問題を隠蔽する立場に回ったと非難する決議を全会一致で可決。五輪に参加する選手の「権利を守る能力と意志に疑問を抱かせる」と問題視した。

山中蓮夏