野蛮な強制臓器摘出は中国の体制の正統性を損なう=元米国大使

2026/02/05
更新: 2026/02/05

中国共産党(中共)による宗教信者の扱いは「体制の正統性を損なっている」と、元米国宗教自由担当のサム・ブラウンバック無任所大使は2月2日に述べた。

サム・ブラウンバック大使は、国際宗教自由サミットの初日に数百人の聴衆に向けて、「このように自国民を扱う国に、どうして世界の運営を任せられるのか」と疑念を示し「共産中国が法輪功をどのように扱っているかは、野蛮という言葉を超えている。強制臓器摘出だ」と述べた。

サム・ブラウンバック大使は、サミット共同議長のカトリーナ・ラントス・スウェット氏およびエポックタイムズ上級編集者のヤン・イェキレクとともに発言した。

パネルの司会を務めたヤン・イェキレクは、この問題を扱った著書を執筆している。

予約受付中の著書「Killed to Order」は、中共当局が良心の囚人を標的に行っているとされる臓器摘出産業を検証している。主要な被害者の一つは、真・善・忍を中核価値とする瞑想修行団体である法輪功の実践者である。

書籍の事前原稿を読んだスウェット氏は、この問題を「多くの人が考えることすら避けたくなるほど、身の毛がよだつ恐ろしいもの」と表現した。

スウェット氏は「こうした野蛮で邪悪な行為は、敵対者の本質を示している。これは単なる逸脱ではなく、中共体制の核心にある闇を明らかにするものであり、あらゆる信仰共同体への大規模な弾圧もその表れだ」と述べた。

年次開催されるこのサミットは今回で6回目となり、宗教の自由を推進する政策担当者や活動家に発言の場を提供している。ナンシー・ペロシ元下院議長やマイケル・ウォルツ国連米国大使も登壇した。

ウォルツ大使は、この問題を国家主権の問題にまで引き上げ「米国はすべての人の信仰の自由を守る」と述べ「ここは常に宗教の自由の国であり続ける。他国がここにいる人々を脅迫し、攻撃し、場合によっては拉致して自国に連れ戻そうとすることは、断じて容認できない」と訴えた。

(左から)エポックタイムズ上級編集者で「American Thought Leaders」司会のヤン・イェキレク、元米国宗教自由担当サム・ブラウンバック無任所大使、共産主義犠牲者基金理事でラントス人権正義財団会長のカトリーナ・ラントス・スウェット氏。2026年2月2日、ワシントンで開催された国際宗教自由サミットにて(Madalina Kilroy/The Epoch Times)

 

中国の人権問題を訴える声

マイケル・ウォルツと同じ壇上に立った元NBA選手のエネス・カンター・フリーダム選手は、中国の人権状況に対する強い批判で知られている。

フリーダム選手は、「トルコで起きている問題について発言したときは多くの支持を得たが、中国について声を上げ始めたとき、その支持はほとんど見られなくなった」という。

フリーダム選手は、その変化は中国からの経済的損失を恐れる心理によるものだと述べ、2021年から2022年のシーズン後にNBAチームからのオファーがなくなったことは、中国共産党を批判したことが原因だとの認識を示した。

人権活動家で元NBA選手のエネス・カンター・フリーダム氏。2026年2月3日、ワシントンで開催された国際宗教の自由サミットにて(エヴァ・フー/エポックタイムズ)

 

フリーダム選手は「中国が米国発の組織を支配できる状況は極めて不快だ」という。また同様の恐れがハリウッド、ウォール街、世界の指導者の間にも広がっていると述べた。

また「経済を心配する一方で、地球の反対側では人々が苦しんでいる。中国本土では現在も多くの無実の人々が迫害されている。香港の人々、法輪功、モンゴル人、ウイグル人、チベット人がいる」と述べている。

中国の虐待の証言者の一人に、グレース・ジン・ドレクセル氏がいる。中国は宗教の自由に関して世界で最も制限的な国とされている。

2025年後半、中共当局は北京シオン教会の著名な指導者エズラ・ジン氏を拘束した。これは地下教会に対する大規模な取り締まりの一環であった。

当局は2018年、教会内に顔認識カメラの設置を拒否したことを理由に、エジン氏の出国を禁止していた。

グレース・ジン・ドレクセル氏は7年間父親と会えておらず、ワシントンでは家族に対する脅迫電話や不審人物による尾行も受けていると述べた。

ドレクセル氏は「私は時に恐怖を感じる。私は世界第2の大国の責任を追及しようとしているからだ。しかしキリスト教徒として、勇気を持ち真実を語るよう求められていると信じている」と述べた。

2026年2月2日、ワシントンで開催された国際宗教自由サミットで発言するグレース・ジン・ドレクセル氏(Madalina Kilroy/The Epoch Times)

 

「自由世界への最大の脅威」

ウイグル人活動家ルシャン・アッバス氏も、中国の新疆での大規模拘束と拷問を非難した後、報復を受けたと述べた。

アッバス氏は、発言から数日後に妹が連れ去られ、現在7年間拘束されていると述べ、自身の回顧録「Unbroken」が出版された際、同名の偽の書籍が出回ったことは、中国当局による名誉毀損の戦術だと指摘した。

アッバス氏は「声を上げる人を黙らせるために国家がここまでやる。沈黙は専制の酸素であり、私は沈黙しない」「これはチベット人、法輪功実践者、香港の人々すべての物語であり、台湾も次の標的になる。声を上げなければ、いずれすべての人に及ぶ」と述べた。

フリーダム選手は「中国は自由世界にとって最大の脅威であり、このメッセージを広める必要がある」と発言し、その代償として推定4千万から5千万ドルの収入機会を失ったとが、後悔はないと語った。

また「これは私個人やNBA、バスケットボールを超えた問題だ。人々は家族や命、住む場所を失っている」と述べた。

フリーダム選手は、さらなる虐待を抑止するため制裁が必要だと述べ「西側の指導者は中国共産党に十分な圧力をかけておらず、中共はそれを利用している。非難だけでは世界最大の独裁体制には通用しない」と述べた。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。