「ブロッコリーは動脈を軟らかくする」6種の野菜があなたの心臓を守ります!

多種類の野菜を積極的に食べることは、人間の健康全般に有益であり、大いに薦められることです。

複数の研究によると、野菜を多く食べるほど心臓病になるリスクを軽減できるだけでなく、食べる野菜の種類によって心臓を守るメカニズムが異なることが判りました。

一方、アブラナ科の野菜は、頚部の動脈を柔らかくして動脈硬化巣(プラーク)の蓄積を防ぐことで、脳卒中や心臓発作のリスクを減らすことができます。

ザワークラウト(乳酸発酵させたキャベツ)は、豊富な食物繊維が血圧の上昇抑制や血糖値の改善に役立つとともに、心臓病のリスクを減らします。ザワークラウトに含まれる各種の植物性栄養素も、血流をスムーズにし、血管の柔軟性を高めるのに役立っています。

ここでは、いくつかの野菜および植物性食品が、心臓の健康維持にどのように役立つかをご紹介しましょう。

1、硝酸塩を含む野菜

硝酸塩を多く含む野菜で心臓の健康増進に役立つのは、例えば、ルッコラ、ルバーブ、コリアンダー、バターレタス、ベビーリーフ、バジル、ビーツ(ビート)の葉、ロメインレタスなどです。

緑の葉野菜に多く含まれている硝酸塩は、神経伝達物質の一種である一酸化窒素のレベルを自然に上げることができます。

一酸化窒素は、正常な血管内皮機能を支持し、ミトコンドリアを保護する重要な神経伝達物質であるとともに、血管を緩めて拡張させ、血液の流れを良くするのにも役立ちます。

各方面の研究でも、野菜の硝酸塩が体内の一酸化窒素レベルを上げることによって、高血圧の予防や治療、心臓発作の予防に役立つことが示されています。

なお、野菜に含まれる硝酸塩と、ベーコンやハムなどの加工肉に添加された硝酸塩を混同してはいけません。

野菜の硝酸塩は有益な一酸化窒素に変換されますが、加工肉の硝酸塩は、主として有害なニトロソアミンに変換されます。

各種のサラダでよく見られるルッコラやロメインレタスなどは、鉢植えでも栽培することができます。

ルッコラには、動脈硬化の予防に役立つ硝酸塩が豊富に含まれています。(Shutterstock)

2、スイカ

夏に人気のスイカも、アミノ酸の一種であるシトルリンが豊富で、体内で一酸化窒素の生成を促進します。

ただし、スイカは炭水化物が比較的多いため、スイカを大量に食べるとインスリン抵抗性が高まり、血糖上昇の抑制に支障をきたすかもしれません。

スイカにはリコピンも含まれています。リコピンは(トマトやスイカなどの)果物や野菜の色をピンクや赤にするカロテン系の抗酸化物質であり、脳卒中のリスクを軽減することが研究で示されています。

スイカはシトルリン、リコピンが豊富に含まれ、心臓の健康に有益です。(Shutterstock)

3、アブラナ科の野菜

ブロッコリーカリフラワー、キャベツ、芽キャベツなどのアブラナ科の野菜は、抗がん効果が認められているほか、心臓の健康維持にも役立ちます。

その一つの理由は、アブラナ科の野菜には、頸動脈をはじめとする動脈の柔軟性や薄さをよく保つはたらきがあるからです。

研究によると、アブラナ科の野菜の摂取量が多い人は、摂取量が少ない人より動脈の血管壁が薄く、健康的な頸動脈をもつと言います。これは、この種類の野菜が動脈硬化を改善する有力な食物であることを示唆しています。

ブロッコリーなどアブラナ科の野菜は、血管の柔軟性を増して、心臓への負担を減らします。(Shutterstock)

4、酸菜(乳酸発酵させた野菜)

昔から世界各地で食べられてきた各種の発酵食品は、それぞれの食文化の産物でもあり、健康効果の高いものが多いです。

ドイツのザワークラウトと同じく、中国の酸菜も心臓の健康維持に有益な食品です。

中国の東北地方の「酸菜(スワンツァイ)」は、秋の終りに大量の白菜を壺につめて塩漬けにし、自然に乳酸発酵させた保存食です。冬の間、この酸菜が貴重な野菜であり、各種ビタミンの供給源となります。

酸菜と同様、プロバイオティクスである生きた乳酸菌に富むザワークラウトは、炎症を抑え、腸内の健康を増進するほか、高血圧の改善や正常なコレステロールレベルを維持するなど、心臓血管と心臓の保険にも非常に有益な食物です。

プロバイオティクスを豊富に含むザワークラウトは、心臓の健康維持に有益です。(Shutterstock)
 

5、マグネシウムを含む野菜

マグネシウムは心臓の健康維持に不可欠なミネラルですが、ほとんどの人が不足しています。

マグネシウムを不足なく保つ最善の方法は、濃い緑色の葉野菜を多く食べることです。
緑の葉野菜の中で、マグネシウム含有量が比較的多い野菜はホウレンソウ、大根の葉、ケールなどです。

緑の葉野菜の他にも、特にマグネシウムが多く含まれている食物があります。
種子類やナッツ類がその代表で、カボチャの種、ゴマ、ヒマワリの種、カシューナッツ、アーモンド、ブラジルナッツなどがあります。

果物ではパパイヤ、ラズベリー、トマト、メロン、イチゴ、スイカなどが、マグネシウムが比較的多いフルーツです。

カボチャの種はマグネシウムが豊富で、心臓の健康維持に有益です。(Shutterstock)

6、タマネギ

フラボノイドの一種であるケルセチン(クェルセチン)は抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、血管弛緩作用など、非常に多くの健康補助効能があると言われています。

タマネギは、ケルセチンが豊富に含まれています。確かにタマネギは炎症を抑え、免疫機能を高めます。一般的に、辛味のつよいタマネギのほうが多くのメリットをもたらすと言います。

そのほか、タマネギには硫黄を含むフィトケミカルも含まれており、コレステロールと中性脂肪を正常に保つのに役立つとともに、血液の抗凝固作用があり、脳卒中、冠動脈疾患、末梢血管疾患のリスクを軽減するのにも役立ちます。

結語として、上記のような野菜や食物を日常の食事のなかに活用して、あなたの心臓を守り、さらには全身の健康を保つよう努めてください。

(文・Joseph Mercola/翻訳編集・鳥飼聡)