認知症を予防するために「週3回は魚を食べましょう」(1)

認知症はさまざまな要因があり、誰にでも起こり得る病気です。

そのため、私たちが認知症について考えるとき、「この病気は予防や制御ができないのではないか」という懸念が常にともないます。

しかし、心配しすぎることはありません。幸いなことにこの病気は、私たちが生活習慣を改善することで、最大40%の認知症を予防または発症を遅らせることができるのです。

本稿の結論を先に申しますと、「週3回はω3脂肪酸を含む魚を食べ、心臓を守り、大脳を十分にケアすることで、認知症の40%は予防できる」およびそれは「今から始めれば遅くはない」ということです。

認知症に至る過程には、高血圧、高血糖肥満喫煙、心血管疾患などよく知られた慢性疾患と共通する危険因子が存在します。つまり、「現在これらの症状をもつ人は、将来、認知症になりやすい」ということです。

私たちの体を守る抗酸化因子が、体内を破壊するフリーラジカルを除去しきれない場合には、認知症をふくむ重大な疾病のリスクが高まります。フリーラジカルによる炎症と酸化ストレスが重なると、血管が損傷され、脳への血流と酸素供給量が減少します。

十分な酸素が供給されないと脳細胞は正常に機能できず、やがてその細胞の一部は死んでしまいます。認知機能低下の多くは、このようにして起こります。

また脳の血流が減少すると、認知症患者によくみられるタンパク質プラークが脳内に形成されたり、脳が神経原線維変化にさらされやすくなります。

しかし私たちは、食事をふくむ生活習慣を変えることで、心臓の健康状態を改善することができます。心臓の健康はすぐさま「脳の健康」に伝播します。それはまさに、あなたの将来の認知症リスクを減らすことにつながるのです。

続稿は、あなたの将来の認知機能を守るために、今から始められる「5つの方法」です。
(次稿に続く)

(翻訳編集・鳥飼聡)