統合幕僚監部が24日に発表した、中国とロシア軍用機の動向を示す図(統合幕僚監部)

中露爆撃機が日本周辺を飛行 侵略国との共同行為は「看過できない」岸防衛相

日本で日米豪印「クアッド」首脳会合が行われた24日、中国とロシアの爆撃機が日本周辺を共同飛行した。岸信夫防衛相は、「会合を主催する我が国に対する示威行動を意図したもの」であり、より挑発的だとした。また中国が、ウクライナを侵略するロシアと行動をともにすることは「看過できない」と述べた。

防衛省によると24日の午前から午後にかけて、東シナ海から日本海へと飛行した中国の爆撃機(H-6)2機が日本海でロシアの爆撃機(TU-95)2機と合流し、東シナ海まで共同飛行を実施した。その後、中国の2機と入れ替わり新たに飛来した推定中国の爆撃機2機と、当該ロシアの2機の合計4機が東シナ海から太平洋にかけて共同飛行した。

さらには同日午前から午後にかけて、ロシアの情報収集機1機が、北海道礼文島沖から能登半島沖までの公海上空を飛行した。

中露爆撃機の長距離共同飛行は昨年11月以来で4度目。「それぞれ強力な軍事力を保有する中露による共同の軍事活動は、各国の懸念を高めるものであり、何より我が国を取り巻く安全保障環境が一層の厳しさを増していることを如実に示すものに他ならない。我が国としては重大な懸念を有さざるを得ない」と岸氏は述べた。

韓国側もこの共同飛行を確認している。聯合ニュースによれば、中露の爆撃機が「予告なしに韓国防空識別圏に入った」ため、韓国空軍は戦闘機を緊急発進させた。

中国とロシアの国営メディアは、それぞれ24日にアジア太平洋地域で13時間の「共同軍事航空パトロール」を実施したと伝えた。タス通信は、ロシア国防省が核ミサイル搭載可能なTU-95MS戦略爆撃機と中国H-6K戦略爆撃機が共同飛行したと報じた。中国官製CGTNによれば、このパトロールは「毎年恒例の軍事協力計画に従い実施された」という。中露は特定対象を想定していないとしているが、日本で開催された4カ国首脳会合と時期を一致させている。

岸田文雄首相とバイデン米大統領との日米首脳会談が行われた23日にも、中国海軍のミサイル駆逐艦1隻が沖縄本島と宮古島の間の海域を南東進し太平洋に向けて航行した。このほか22日にも中国海軍フリゲート艦1隻が対馬海峡を北東進し、日本海へ向けて航行した。

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