松本文科相 水深6千メートルからレアアース泥の揚泥成功を発表 「ちきゅう」による技術実証

2026/02/02
更新: 2026/02/02

2026年2月1日、松本洋平文部科学大臣は自身のSNS(X)において、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」を用いた実験により、水深6千mの海底からレアアース泥を揚泥することに成功したとの報告を受けたことを明らかにした。詳細については2月3日(火)にJAMSTECからプレスリリースが行われる予定だ。

国産資源サプライチェーンの構築 

今回の成果は、内閣府が推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「海洋安全保障プラットフォームの構築」における核心的な取り組みの一つである。日本は世界第6位の広大な排他的経済水域(EEZ)を有する海洋国家であり、特に南鳥島周辺海域の海底には、産業に不可欠なレアアース(希土類)を豊富に含む泥(レアアース泥)の存在が確認されている。

SIP第2期においては、2022年8月に茨城沖の水深2470mからの揚泥試験に成功していたが、有望な資源が賦存する南鳥島海域の実環境である水深6千m級の大水深からの連続的な採鉱・揚泥技術の確立が、実用化に向けた最大の技術的課題として残されていた。

今回の実験は、SIPの研究開発計画において「サブ課題A:レアアース生産技術開発」として位置づけられており、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて水深6千mからの採鉱・揚泥実証試験を行い、産業規模での開発に向けた課題抽出を行うことを目標としていたものである。

商業化と経済安全保障への貢献

今回の水深6千mからの揚泥成功は、世界初となる深海からの連続採鉱技術の確立に向けた大きなブレークスルーである。今後の展望として、以下の展開が予測される。

データの公開と技術検証 

2月3日に発表が予定されているJAMSTECによるプレスリリースでは、どこまでの内容が発表されるか未定だが、今後、具体的な揚泥量やシステムの稼働状況などの詳細データが公表されれば、商業化に必要な採鉱効率(目標値として日量350トンなどが掲げられていた)への到達度や、技術的課題の洗い出しが行われることになる。

鉱区設定と民間参入の加速

技術的な実証が進んだことで、経済産業省や資源エネルギー庁による鉱業法に基づく具体的な「鉱区」の設定に向けた動きが加速すると考えられる。SIPの計画では、民間企業が産業化を検討するための技術データや指標を提供し、技術移転を図ることで、レアアース生産システムの社会実装を目指している。

経済安全保障の強化

レアアースはハイテク産業に不可欠な重要鉱物であるが、その供給は特定国に強く依存している現状がある。自国EEZ内での開発技術が確立されれば、特定国に依存しない新たなサプライチェーンが構築され、日本の経済安全保障および資源安全保障の強化に大きく寄与することになる。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。