5月31日、台湾の蔡英文総統(写真)は、米国が州兵と台湾軍の「協力」を計画していると明らかにした。写真は台湾の台北で3月撮影(2022年 ロイター/Ann Wang)

米、州兵と台湾軍の「協力」を計画=蔡総統

[台北 31日 ロイター] – 台湾の蔡英文総統は31日、米国が州兵と台湾軍の「協力」を計画していると明らかにした。

台湾を訪問中のダックワース米上院議員と会談した蔡総統は、同議員が米超党派による「台湾パートナーシップ法案」の主要な発起人の1人であることに言及し、「この結果、米国防総省は現在、州兵と台湾軍の協力を積極的に計画している」と述べた。詳細には踏み込まなかった。

台湾メディアはこれまでに、ハワイの州兵と台湾が連携する可能性があると報じている。

蔡総統は「地域の安全保障の問題で台米協力の緊密化と深化を期待する」と述べた。

ダックワース議員は、米国が台湾と共にあり、米議員から台湾に対し「多大な」支持があることを改めて示すため訪台していると語った。

ただ、先週始動した米主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に台湾は参加を求めていたものの実現しなかった。

蔡総統は引き続き参加の意欲を表明していく考えを示した。

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