リトアニアのランズベルギス外相、4月撮影 (Photo by PETRAS MALUKAS/AFP via Getty Images)

訪日のリトアニア外相、ウクライナ侵略の飛び火に懸念 「侵略者には厳しい態度で」

訪日中のランズベルギス・リトアニア外相は6日、松野博一内閣官房長官鈴木貴子外務副大臣らと会談した。ロシアのウクライナ侵略と、それに対する世界各国の反応は「他の悪意のある国々が細かく監視し分析している」と述べ、「侵略者には厳しい態度で望まなければ他国が模倣するのは時間の問題だ」と危機意識をあらわにした。

リトアニア外務省発表の文書によれば、ランズベルギス氏は「今日の犠牲者はウクライナであり、明日は台湾である可能性がある。日本では明確なことだろう」と強調した。鈴木氏との会談では、双方はヨーロッパとインド太平洋地域の安全保障が「不可分」であるとの見解を共有した。

両者は欧州のみならずインド太平洋地域情勢についても議論し、中国を念頭にしたリトアニアに対する経済的威圧についても連携していくとした。同国は台湾代表事務所の設置をめぐり中国から輸出入制限などの外交圧力を受けている。

ランズベルギス氏は、戦争によって滞っているウクライナの穀物輸出を再開すべく、6月にドイツで開かれる主要7か国首脳会合(G7サミット)でオデッサ港の封鎖解除を提起するよう、日本側に要請した。

日本とリトアニアは今年で友好関係締結から100周年を迎える。松野氏はランズベルギス氏との面会時、祖父であるヴィタウタス・ランズベルギス最高会議議長(当時)が1992年3月に訪日した記念写真を手交した。松野氏は両国が外交官・杉原千畝氏の「命のビザ」を始めとする歴史的絆を有し、自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を共有していると述べた。

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