茂木外相 南シナ海巡り対話重視 中国反発の中で意思疎通継続

2026/07/14
更新: 2026/07/14

茂木敏充外相は7月14日の記者会見で、南シナ海仲裁判断から10年の節目に合わせて発表した14か国の共同声明に中国共産党(中共)が反発していることについて、「日中間に懸案があるからこそ意思疎通が重要である」と述べ、中国との対話に引き続き前向きな姿勢を示した。

この共同声明をめぐっては、中共が東京と北京の双方で日本に抗議する対応を取っている。

14か国が法的拘束力を再確認

7月12日、仲裁判断から10年の節目に合わせ、日本、アメリカ、フィリピン、イギリス、ドイツなど14か国が共同声明を発表した。

2016年7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、中共が南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする独自の境界線「九段線」について、国連海洋法条約に基づく法的根拠はないと全会一致で判断した。

今回の声明では、この判断が中共とフィリピンの双方を法的に拘束する最終的かつ決定的なものであると改めて確認した。

そのうえで、力や威圧による一方的な行動や、他国の適法な活動を妨げる目的で海警や軍、海上民兵を動員する行為に反対するとしている。

茂木外相も12日、仲裁判断を受け入れていない中共の姿勢について、「紛争の平和的解決の原則に反し、法の支配を損なう」とする談話を発表している。

東京と北京で相次ぐ抗議

これに対し中共当局は、12日、北京の日本大使館に横地晃次席公使を呼び、「南シナ海問題における日本の歴史的責任は清算されていない」などとして抗議した。

さらに翌13日には、東京でも在日中国大使館の施泳次席公使が外務省の金井正彰アジア大洋州局長に対し、「厳正な申し入れ」を行った。

一方、中共はこの仲裁判断をこれまで受け入れておらず、判断直後には「紙くず」とするなど否定している。現在もこの立場を維持している。

国際法上、この判断は最終的に当事国を拘束するが、履行を強制する仕組みはない。

外相「意思疎通を継続」

14日の記者会見では、記者から「両国間で抗議などのやり取りにとどまり、対話の機会が限られている状況は安全保障上の不測の事態につながるおそれがある」との指摘が出された。

これに対し茂木外相は、日本の立場について「累次にわたり説明してきた」としたうえで、中国との「戦略的互恵関係」を推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築していく方針に変わりはないと述べた。

そのうえで、「今後も中国側と意思疎通を継続しながら、国益の観点から冷静かつ適切に対応していく」と述べた。