新研究:「コーヒーを毎日飲む人は、長生きする」

内科の医学専門誌『Annals of Internal Medicine』に掲載された新しい研究によると、コーヒー砂糖の有無は問わず)を毎日飲むことで、「一連の致命的な病気にかかるリスクが低下し、人はより長く生きることができる」と言います。

7年がかりの大調査で分かったこと

研究者は、英国の1万7千人以上の調査協力者を対象に、毎日コーヒーを飲むこともふくむ彼らの生活習慣について、1年間に5回の聞き取り調査を行いました。さらに彼らの死亡証明書まで確認して、「平均7年後に、どの人が死亡したか」を調査しました。

被験者の年齢は37歳から73歳まで。調査開始の段階で、心血管疾患または各種がんを患っていた人はいませんでした。

ハーバード大学医学部の准教授、クリスティーナ・ウィー氏はCNNに対し、コーヒーを適量(1日1.5~3.5杯)飲む人と飲まない人を比べた結果、「コーヒーを飲む人の死亡リスクが相対的に低かった」と述べました。

ウィー氏によると、コーヒーを飲まない人に比べて、加糖コーヒーを飲む人の死亡リスクは約30%低く、無糖コーヒーを飲む人は16%から29%ほど低くなっていたと言います。
ウィー氏は、この研究に直接参加していませんが、『Annals of Internal Medicine』の副編集長を務めています。

 

病気リスクを減らして長生きする

フォックスニュースの医療ジャーナリスト、ジャネット・ニサット氏もこの研究結果についてコメントしています。

ニサット氏は「人はコーヒーを飲むことで、病気のリスクを減らすことができます。そして、コーヒー効果で良い気分になり、しかも長生きできるのです」と言います。

またニサット氏は、コーヒーには千種類以上の化学成分が含まれているとし、その多くが抗酸化および抗炎症の機能をもつと話します。さらに同氏は、そのほかのコーヒーの利点として「心臓病やパーキンソン病の予防にも役立つ」としています。

最近の研究では、コーヒーが自殺傾向を緩和できることも分かっています。
そのような多くの利点が認められるコーヒーですが、気になるのは、カフェインが健康に与えるマイナスの影響についてです。

ニサット氏は、「コーヒー1杯には、カフェインが約90~100 mg入っています。カフェインの1日の最大摂取量は400 mgですので、それを超えないことが望ましいと言えます」と言います。

ただし、コーヒーに合わない体質の人は、コーヒーを飲むことで余計に不安になったり、動悸が激しくなる場合もありますので、たとえ少量でも避けたほうがいいでしょう。

★コーヒーにミルクを加えると、味がまろやかになります。(Shutterstock)

「小さじ1杯」なら許されます

今回の研究で、砂糖入りコーヒーを毎日飲む人は、コーヒー1杯につき、平均して「小さじ1杯の砂糖」を入れていたそうです。

これについてウィー氏は、「小さじ1杯程度の砂糖なら、健康に有益なコーヒーの利点が完全に消えることはないでしょう」と話します。興味深いことに、この新しい研究によると、カフェインレスのコーヒーを毎日飲むことでも、ほぼ同じ効果が得られるそうです。

では、カフェインではないとすると、コーヒーに含まれるどの成分が健康に有益だと考えられるのでしょうか。

コーヒーには、各種のフェノール化合物が含まれており、これらが有効成分であると言われています。抗酸化物質であるこれらの化合物は、抗炎症と抗老化の特性を持つため、病気のリスクを軽減できるのです。

CNNは、世界で最も一般的なコーヒーであるアラビカ種とロブスタ種のうち、アラビカ種よりもロブスタ種のほうが、フェノール類が多いことが分かったと報じています。

生のコーヒー豆にもフェノール化合物は多く含まれていますが、このままでは香り高い飲料のコーヒーにならないため、焙煎してから抽出します。ただし、焙煎の加減によっては、フェノール化合物のなかには分解してしまう成分もあります。

(翻訳編集・鳥飼聡)