テムジンはタタル部族を征服した後、将官たちを連れて陣営を巡回していました。この時、どこからともなく子どもが走ってきて、「エージ(モンゴル語で母という意味)に会いたい」とテムジンの足に抱き着きました。
「あなたは父と義兄弟の契りを結びました。私はあなたの息子であるも同然です」とテムジンは用意していたマントをトオリルに差し出しました。このマントは、クロテン(イタチ科)の毛皮で作られた珍しいものです。
テムジンはソルカン・シラからもらった馬を走らせながら、母親と兄弟たちの足跡を探索していき、ついに、オノン川河流付近で家族と再会できました。
ソルカン・シラの2人の息子チンバイとチラウンは父親の反応を待たずに、妹を呼んで3人でテムジンの首や手足についている鎖を外し、後で証拠にならないよう、きれいに処分した後、ゲル裏の羊毛が積まれた荷車にテムジンを隠しました。