2019年11月21日、パリのタブレット画面に表示された動画共有SNSアプリ「TikTok」 のロゴ (Lionel Bonaventure/AFP via Getty Images)

「失神ゲーム」参加の少女ら死亡…遺族らTikTokを提訴

中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のアルゴリズムは、若年層に対する悪影響を考慮することなく有害なコンテンツを配信しているとして、米国で提訴された。裁判を起こしたのは、「失神ゲーム」を試みて死亡した10歳未満の少女2人の遺族。

「失神ゲーム」とは気絶するまで自身の首を紐などで締めることを試すもの。旧来から存在する、命を落とす危険性のある我慢くらべだが、ソーシャルメディアにより手法の拡散や模倣に繋がっているとの指摘がある。ティックトックの再生回数や「いいね」を求める若者たちのあいだで、関連の動画がトレンド化した。

訴状によると、死亡したのはララーニ・ウォルトンさん(8歳)とアリア二・アロヨさん(9歳)。それぞれロープと飼い犬のリードが首に巻かれた状態で見つかった。警察によると、死亡する前、ウォルトンさんは「失神ゲーム」を繰り返しティックトックで再生していたという。

遺族らは、プラットフォームのアルゴリズムが、少女たちの「For You」ページ(各ユーザーの好みに基づいて関連動画を表示するページ)に「許容できないほど危険な動画」を意図的に表示したと主張。その上で、ティックトックの動画に中毒性があると認識していながら、適切な措置を講じなかったと訴えた。

昨年には「失神ゲーム」に参加したイタリアの10歳の少女が死亡しており、イタリア個人情報保護当局は年齢が確認できないユーザーのティックトック利用を一時禁止。同局は2020年にも「未成年者の保護に対する配慮が欠如」しているとしてティックトックを提訴している。

大紀元動画コンテンツ「エポックTV」の取材に応じたオマー・オチョア弁護士は、プライバシー保護や有害なコンテンツの表示をめぐり、SNS運営企業に対して説明責任を求める声があがっていると述べた。米国では通信品位法230条により、SNSのユーザーが投稿するコンテンツについて企業の免責を認めている。

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